IntelはCES 2025開幕前日の1月6日(米国時間)、モバイル向けプロセッサの新製品として、「Core Ultra 200HX」シリーズ、「Core Ultra 200H」シリーズ、「Core Ultra 200U」シリーズを発表した。3種の新製品はどれもArrow Lake(開発コードネーム)ベースであり、既存の「Core Ultra 200V」シリーズ(Lunar Lake)とあわせて、高性能から省電力までモバイル向けプロセッサのフルラインナップを完成させる意図がある。
まず、新製品の追加を受けてモバイル向けCore Ultra 200のそれぞれの位置づけをまとめると、以下のようになる。
- Core Ultra 200HX : Arrow Lake、最高の性能、ゲーミングノートPC、PBP55W枠
- Core Ultra 200H : Arrow Lake、パフォーマンスノートPC、PBP45Wと28W枠
- Core Ultra 200U : Arrow Lake、省電力な薄型ノートPC、PBP15W枠
- Core Ultra 200V : Lunar Lake、電力効率に優れたプレミアム薄型ノートPC、PBP30Wと17W枠
これらを搭載するノートPCの発売時期は、Core Ultra 200Hと200Uが来月2月から、Core Ultra 200HXは今年の第1四半期中とされている。
Core Ultra 200HX
Core Ultra 200HXシリーズ。最上位のCore Ultra 9 285HXは16コア(Pコア×8、Eコア×16)を搭載し、最大5.5GHzで動作する。PコアはLion Lake、EコアはSkymont。統合GPU(iGPU)としてXeベースのIntel Graphicsを搭載しているが、単体GPU(dGPU)用にPCIe 5.0 x16接続のインタフェースも備える。ハイエンドのゲーミングノートPCを見据えたシリーズとなるため、基本的にはdGPUを組み合わせた構成でシステム化される例がほとんどとなるだろう。
Core Ultra 200H
Core Ultra 200Hシリーズ。最上位のCore Ultra 9 285Hは16コア(Pコア×6、Eコア×8、LP Eコア×2)を搭載し、最大5.4GHzで動作する。HXとは異なり、低電力なLP Eコアも積んでいる。iGPUもHXとは異なり、こちらはXeSSが使えXMXエンジンも備えるIntel Arc Graphicsが採用されている。dGPU接続用にPCIe 5.0 x8も用意しており、iGPUを使う薄型ゲーミング/クリエイティブノートPCから、dGPUを組み合わせた高性能ゲーミング/クリエイティブノートPCまでカバーする。
Core Ultra 200U
Core Ultra 200Uシリーズ。最上位のCore Ultra 7 265Uは12コア(Pコア×2、Eコア×8、LP Eコア×2)を搭載し、最大5.3GHzで動作する。面白いのは、Arrow Lake世代ではこのCore Ultra 200Uのみ、PコアにHyper-Threadingが復活しており、スレッド数は最大14スレッドになっている。また省電力性で被るCore Ultra 200Vとの差異として、Core Ultra 200UのNPUは処理能力が12TOPSの第3世代であり、CPUとiGPUをあわせたパッケージ全体でもCopilot+ PCの40TOPS以上を満たせない(Core Ultra 200Vの第4世代NPUはNPUだけでも48TOPS)。