1月相場は「ご祝儀相場」として投資家に広く知られています。今回は株価が上昇しやすい月といわれている1月の株式市場の傾向について、過去の株価データから統計的に検証してみました。

◆「ご祝儀相場」といわれる1月の株式市場の傾向は?

1月相場は「ご祝儀相場」として投資家に広く知られています。年末最後の立会いである大納会に続き、年明け最初の立会いである大発会にもご祝儀の意味を込めた買いが入りやすく、株価が上昇しやすい月といわれています。

今回は1月の株式市場の動向について、過去の株価データから統計的に検証してみました。

■検証対象:全銘柄

■検証期間:2000年1月1日~2024年11月30日

■1銘柄当たりの投資金額:20万円

■買い条件:12月末の寄り付きで買い

■売り条件:25日経過後の翌営業日寄り付きで売り

12月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。勝率が50%以上で損益がプラスならば、1月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、1月は下がりやすい月といえます。

以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

◆1月株式市場の検証結果

システムトレードの達人

勝率:58.27%

勝ち数:49,143回

負け数:35,195回

引き分け数:1,713回

平均損益(円):3,593円

平均損益(率):1.80%

平均利益(円):16,533円

平均利益(率):8.27%

平均損失(円):-14,300円

平均損失(率):-7.15%

合計損益(円):309,172,360円

合計損益(率):154,589.44%

合計利益(円):812,462,994円

合計利益(率):406,243.22%

合計損失(円):-503,290,634円

合計損失(率):-251,653.78%

PF(プロフィット・ファクター):1.614

平均保持日数:27.31日

検証結果を見てみると、勝率は58.27%、平均損益は1.80%です。勝率が5割を超えており、1トレード当たりの平均損益もプラスとなっていることから、1月は上がりやすい傾向があるといえるでしょう。

1月は、投資家の節税対策の売りが一巡し、株価が上昇する傾向にある12月下旬からの流れを引き継ぎ、上昇トレンドを形成しやすい傾向があるといえるでしょう。

◆1月の好成績銘柄ランキング

次は、上がりやすい1月相場の中でも、特に成績が好調だった個別銘柄を確認してみましょう。

システムトレードの達人

表は先ほどの検証結果において、勝率が高かった銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄を見ると、次のような銘柄が挙げられます。

<2798>ワイズテーブルコーポレーション

<2393>日本ケアサプライ

<9012>秩父鉄道

1月の投資戦略を考える上で、これらの勝率の高い銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。

※このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします

文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)

国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。

文=西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)