2025年が幕を開け、世間はすっかり通常モードに戻ったわけだが、この冬の寒さを思わせるようなお財布事情のキビしさに、「本業だけじゃモームリ!」と頭を抱える人も少なくないだろう。働き方改革によって副業を解禁する企業が増えた現在、正社員の5人に1人が本業以外の「副業・兼業」から収入を得ているともいわれている(※)。
※マイナビ ライフキャリア実態調査 2024年版(ライフ編)より

  • イラスト:青木ぼんろ/マンガ「Z世代とはたらく」より

それではいまどきのビジネスパーソンは、どのような副業にいそしみ、月にいかほど副業で稼いでいるのだろうか。先ごろ「マイナビニュース」会員507名を対象に、副業に関する実態をアンケートで調査したところ、さまざまなエピソードが集まったので紹介していこう。

どんな副業をしてる? 断トツ1位は“あの”仕事

まず「副業をしているか」という質問では、「副業経験がある」が36.6%、「経験はないが興味がある」が35.1%と、副業意欲はかなり高め。「副業」をテーマに行ったアンケートで、回答者の副業経験や意欲が高いのは自明の理かもしれないが、それにしても70%以上のビジネスパーソンが“副業に前向き”という結果には驚かされる。

副業を行う理由として最も多かったのは、当然のことながら「収入や貯蓄を増やしたい」で74.6%。次いで「趣味やスキルを活かしたい」が19.1%、「自分の可能性を試したい」「新しいスキルを習得したい」が同率で9.7%、「定年後のキャリアを見据えて」が8.9%という結果に。

  • 「副業を始めた(または始めたい)目的は? 」※複数回答可/マイナビニュース会員507名対象「副業事情」アンケートより

ではどんな副業をしているか(してみたいか)というと、「アンケートモニターやポイントサイト活用」が、63.9%でぶっちぎりの1位。“アンケートモニター”とひとことでいっても、スキマ時間にサクっと回答して数円~数十円の報酬やポイントを得るものから、ディープなインタビューにしっかり答えて数千円~1万円超のまとまった報酬が得られるものまでさまざまだ。次いで「投資関連(株式・FX・不動産など)」が27.4%、最近よく耳にする「スキマバイト(Uber Eatsやタイミーなど)」は14%という結果に。

また、「副業を行う理由」で2位だった“趣味やスキルを活かす”系では、「ライティングやデザインなどフリーランスの仕事」が11.4%、「オンラインショップ運営(メルカリなど)」が9.7%。ちなみに「ハンドメイド商品の販売」は5.5%、「YouTubeやブログなどのコンテンツ制作」は3.4%と、モノ作り系は少数派。本業と並行してクリエイティブ活動を継続するのには、センスだけでなく根気も重要な要素なのかもしれない。
※いずれも複数回答可

「私、こんな副業やってます!」スキルを活かした副業のリアル

  • イラスト:青木ぼんろ/マンガ「Z世代とはたらく」より

●「Webライターとして記事を執筆。忙しくなり、趣味の時間が減った」(男性/28歳/クリエイティブ関連)

●「生活習慣病などの食事の献立を作る仕事。本業も忙しかったので、数日間寝不足になったが、報酬が良く、それがきっかけで良い仕事も紹介してもらえた」(女性/51歳/その他)

●「投資コンサルタント。良かったのは、色んな人脈を紹介してもらえたこと。ただし上手くいってる時はいいが、ダメな時は文句を言われる」(男性/47歳/専門コンサルタント)

●「イラストレーター。収入が増えて子どもの大学の学費などに活用できた。ただ思いのほか時間が取られ、家族との時間が減った」(男性/49歳/教育)

スキルや趣味を活かした副業の場合、ある程度の収入が見込めるうえに、結果次第で次につながり、独立や起業の“はじめの一歩”としてモチベーションも維持しやすそうだ。ただ、副業が好調になるのに比例して、圧倒的に“時間がなくなってしまう”ジレンマはいなめない。

●「FX投資と株のデイトレ。本業に身が入らなくなり、日中の本業中も気になって困った。夜も気になって寝られなくなり体調を崩した」(男性/55歳/電気・電子関連)

●「試験監督。休みの時間が減るのでしんどい」(男性/33歳/インターネット関連)

●「書面の作成。本業のパフォーマンスが落ちた」(男性/40歳/専門コンサルタント)

●「アフィリエイトとWeb制作。完成した時には会社がなくなっていた……」(男性/50歳/インターネット関連)

●「Uber Eats。ずっと時間に追われ、寝不足になりました」(男性/32歳/販売・サービス)

  • イラスト:青木ぼんろ/マンガ「ウーバー配達員あるある」より

やはり本業とのバランスの取り方に苦労しているという回答は多く、本業のパフォーマンスが落ちたり、体調を崩してしまったという声も。なかには「成果物を納品したにも関わらず、会社が倒産してギャラを踏み倒されてしまった」という悲しいエピソードも……。

最後に、気になる「副業で得られる収入」はというと、「5,000円未満」が最多で27.4%、「10,000円~30,000円」が11%、「5,000円~10,000円」が9.5%という結果に。ただ、「50,000円~100,000円」(6.7%)、「100,000円~200,000円」(1.6%)、「200,000円以上」(3.9%)と、本業並みやそれを上回る高収入を得ている人も1割以上いることがわかった。

今年こそ副業デビューをしたいという人は、そのメリット・デメリットをしっかり理解し、会社勤めの人は自社の就業規則もしっかり確認したうえで、自分のライフスタイルに合った副業を探してみてほしい。

  • イラスト:青木ぼんろ/マンガ「Z世代とはたらく」より

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調査時期: 2024年12月18日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 507人
調査方法: インターネットログイン式アンケート