デジタルの時代になってから、ほぼ完全に「ズームレンズ野郎」になっていた(好んで単焦点レンズを使うことがなくなっていた)我が写真人生も、永いこと風雪に晒されていれば刻むリズムにも変化が訪れようというもの。そんな、チョイとした変化、いわば転換期のようなものを自覚するに及び、新たに手に入れることにしたのは、バリバリの単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」だった。

  • 2016年2月、当時のオリンパスイメージング(現OMデジタルソリューションズ)が発売した超望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」と、新生OMデジタルソリューションズ第一弾カメラとして登場した「OM-1」。手持ちで撮影できるサイズ・重さながら、強力な手ぶれ補正を効かせて600mmの超望遠撮影ができるのが魅力

必要十分な描写性能と、単焦点レンズにはマネのできない機動力の両方をいっぺんに手に入れることができるようになっている“現代のズームレンズ”が存在しているなかで、あえて単焦点の、しかも600mm相当の画角となる「超望遠単焦点レンズ」を選択することに躊躇がなかったといえばウソになる。でも、登場当初から漠然と所有欲を刺激し続けられてきた存在であったことも手伝い、気持ちがほんのちょっぴり傾いてからの決断(行動)は早かった。善は急げ!なのかどうかはよくわからんけれども、カメラ関連の機材は基本イキオイで買うモノですからね(笑)。

そしてもうひとつ、2024年は2台目となる「OM-1」にも手を出している。この2台目は、私にとって近年お得意の戦法、すなわち「新型が発売になってからの旧型狙い」を発動させての購入(OM-1 Mark II登場後のOM-1購入)だった。参考までに申すならば、ワタシは昨年、ソニー「α7 IV」で同じコトを(α7 Vの発売後にα7 IVを購入)していた“前科持ち”であり、もはや更生は不可能であると自認。無意識に「今や(もはや)デジタルカメラはそういうモノ」と感じ取っている部分があるような気もしている。

とりたてて「OM SYSTEM」の表記を嫌っているワケではないけれど、結果的には「最期の“OLYMPUS”」にこだわったようにも見えてしまう我が2024年のお買い物。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは、少々デカ重なレンズである一方、その遠近両用たる万能な使い心地(600mm相当の望遠効果が得られるのみならず接写的な撮影にもメッポー強い)には、今さらながら(発売から9年が経とうとしている今になって)120%超の満足をしっかりいただいておるところでございます。いや、ホントに良い買い物をしましたわ~。

  • レンズ先端からわずか1.15mの距離にある枯れ枝から、およそ1億4690万km離れているお天道サマまで、思い立ったらその場でバシバシ手持ちで撮って絵にできちゃう万能性。それこそが、このレンズ最大の魅力だ。お散歩撮影にギリ持ち出せるサイズ感であることも購入の後押しになった