カンテレ・フジテレビ系主演ドラマ『未恋~かくれぼっちたち~』(9日FOD配信・放送スタート/カンテレ 毎週木曜24:25~、フジ 同26:25~ ※初回はカンテレ24:40~、フジ26:40~)。小説家になる夢をあきらめ、コミック誌の編集者として働く主人公の高坂健斗が、性格が正反対の2人の女性に出会い、成長していく姿を描く群像劇だ。

その主人公を演じる伊藤健太郎に、ドラマの見どころなどを聞いた――。

  • 伊藤健太郎 撮影:蔦野裕

    伊藤健太郎 撮影:蔦野裕

小道具の漫画を夢中で読む

――この作品の主演が決まった時の気持ちを教えてください。

健斗のようなキャラクターはすごく久しぶりだったのでうれしかったです。やりがいのあるキャラクターになってくれるんじゃないかな。ラブストーリーというのはすごく楽しみである反面、喜怒哀楽が如実に出るのでとても精神力を使うジャンルでもあります。だから「よし!」と気合いを入れるような感覚がありましたね。

――漫画編集者という役柄ですが、どんな役作りをしたのでしょうか。

漫画編集の現場は想像するしかなかったのですが、昔ときどき雑誌の編集部に遊びに行ったりしていたので、その時の雰囲気を思い出していました。「サラリーマンって社員証を首にかけたまま胸ポケットに入れたりしてるよな」と細かい部分を意識してやっていました。

元々、漫画はすごく好きなんです。撮影現場の小道具として自分のデスクに漫画が置いてあって、カバーは別の物に変えてあるのですが中身は高橋ヒロシ先生の『QP』(少年画報社)だったんです。僕が学生の頃読んでいた懐かしい作品だったので、空き時間に夢中で読んでいました。全8巻なのに、現場には5巻までしか置いてなかったので残り3巻は自分で買いました。

――健斗は2人の女性に心を動かされます。年上でシングルマザーの鈴木みなみ(愛希れいか)には、どんな想いがあるのでしょうか。

みなみは、6年前に出会った女性で、当時の健斗は自分の本心を言えない、他人に対して壁を作るタイプだったんです。そんなとき、みなみの行動や、思っていることを言葉にするところに対して、憧れのような気持ちを抱いたんだと思います。少なからず、女性として見ていた部分もあったはずです。

でも、一緒にプロジェクトをやっていた時に、みなみから「ありがとう」と言われたことを、「一緒にやってきたけど、これで終止符を打ちますね」という意味に捉えてしまった。そこは自分で演じながら「こいつひねくれてるなあ」って思ってました(笑)。一度離ればなれになってしまったことで、健斗の中でみなみは「あの夏、憧れていた女性」になってしまったんです。

―― 一方で、深田ゆず(弓木奈於)は、健斗の中でどんな存在なのですか?

ゆずは不思議な子だけど、すごく魅力的なんです。「ゆず先生はいろいろと抱えているものがあるので、その支えになってあげられたらいいな」という思いで健斗は一緒にいるんだと思います。

「尊敬できる部分があればあるほど素敵」

――伊藤さんだったら、リスペクトする女性と、支えてあげたくなる女性、どちらが気になりますか?

どっちも気になりますね(笑)。支えてあげたいという気持ちは分からなくはないですけど、どちらかというとリスペクトしたいと思いますね。相手に対して尊敬できる部分があればあるほど、素敵だなと思います。

――ひとりぼっちと、このドラマが描く「隠れぼっち」はどう違うのでしょうか。

「隠れぼっち」は、「ぼっち」と言われるほど1人の時間が多いわけではないんです。一応居場所はあるし、友達もいる。そばから見るとそうは見えないけど、本人の中ではすごく孤独を感じる時間があったり、「自分って誰にも必要とされていないんじゃないかな」と思ってしまう人なんだと思います。

――最後に、この作品の見どころをお願いします。

健斗が全くタイプの違う女性2人に翻ろうされながら、自分の思っていることをちゃんと伝えられるよう、やりたいことをやれるよう、成長していく物語でもあります。健斗、みなみ、ゆずの三角関係の中で、クスッと笑えるようなことが起こったり、ほっこりしたりするので、お疲れの時に見ていただくとほのぼのとした気分になっていただけるんじゃないでしょうか。ぜひ、楽しみにしていただけるとうれしいです。