2025年1月にトランプ大統領の就任式が行われます。2025年はトランプ大統領の動向に再度注意せざるを得ない、最初の年です。そんな2025年はどのような銘柄が注目を集めるのでしょうか? 2025年に注目が予想される銘柄をピックアップしました。
トランプ政権発足とともにスタートする2025年
激戦と言われた2024年の米大統領選挙は、結果としては共和党・トランプ大統領が圧勝となりました。更に大統領だけではなく、上下両院も共和党が過半数を獲得しました。1月の大統領就任式というタイミングもあり、2025年はトランプ大統領とともにスタートします。
トランプ前政権時は、トランプ大統領の発言に金融市場は大きな影響を受けることが多くありました、今後4年間、少なくとも次の議会選が行われるまでの2年間は、トランプ大統領の発言に金融市場は一喜一憂することが多くなると予想されます。
2025年の注目銘柄
トランプ政権発足とともにスタートする2025年に注目を集める可能性のある銘柄を、以下に取り上げました。
電気自動車:TESLA<TSLA:ナスダック>
バイデン政権下で進められた電気自動車(EV)普及政策は、トランプ政権下では後退が予想されています。しかし、電気自動車大手TESLAのCEOイーロン・マスク氏は、トランプ大統領の支援者として大統領選挙で存在感を発揮。トランプ政権発足後もトランプ政権の政策に大きな影響を与えると予想されます。トランプ政権の政策と、TESLAは政策的には相反する存在ですが、11月以降同社の株価は上昇が続いています。トランプ政権が発足する2025年も、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の良好な関係を背景に、同社の株価の上昇が続くか注目されます。
軍事・防衛銘柄:ロッキード・マーチン<LMT:NY市場>、三菱重工<7011>
米軍の再建を政権公約としているトランプ大統領の下で、トランプ政権では軍事予算の増額が予想されます。米国には多数の軍需企業がありますが、最大の企業はF35戦闘機などを手がけるロッキード・マーチンです。同社は米軍の軍事予算増加の際、直接的な恩恵を得られる可能性があります。
また日本でも防衛予算の増額が始まっています。国内で自衛隊と最も取引があるのは三菱重工です。既に三菱重工は受注残高の増加が顕著であり、本傾向は2025年も続くと予想されます。また三菱重工はロッキード・マーチンとも取引があるため、米軍事予算増加も一部影響する可能性があります。
エネルギー:エクソン・モービル<XOM:NY市場>、シェブロン<CYX:NY市場>
トランプ政権では、バイデン政権で進められた地球温暖化対策が後退する可能性が高いです。再生可能エネルギーへの投資が削減される一方、シェールガスなどの化石燃料への投資増加が予想されます。米国にはエクソン・モービル、シェブロンという世界的な原油及びエネルギー企業が存在。トランプ政権下で化石燃料への投資再開とともに、両社の業績や株価に大きな変化が生じる可能性があります。
AI及び半導体:Nvidia<NVDA:ナスダック>、TSMC<TSM:NY市場>、ソニーG<6758>
2023年からスタートしたAI及び半導体ブームは、2024年も続きました。AI分野に対する投資は続いており、2025年もその流れが続くと予想されます。AI及び半導体ブームを牽引するのは、NvidiaとNvidiaの先端半導体を製造するTSMC(台湾セミコンダクター)です。2025年も両銘柄がAI及び半導体ブームの牽引役となると予想されます。
また、TSMCは2025年に日本で第2工場の着工が予想されています。そしてソニー(ソニーグループ)は2025年からTSMCとの共同工場が本格稼働の予定です。様々な事業部門を持つソニーですが、2025年は半導体事業拡大のスタートの年となり、注目を集める可能性があります。
ゲーム:任天堂<7974>
任天堂はNintendo Switchの後継機を2025年3月までに正式発表するとしています。2017年3月に発売から7年が経過したSwitchですが、後継機が2025年に姿を現す予定です。任天堂といえども、過去に発売したゲーム機が全て成功している訳ではありません。しかし2025年は、任天堂のSwitch後継機に注目が集まるのは間違いないでしょう。
経営:日産自動車<7201>
2024年11月に、日産自動車(日産)は2025年3月期の通期予想の大幅引き下げに加えて、9,000人のリストラを発表しました。国内自動車メーカーの中国事業の不振は日産だけではありません。しかし、日産は他社が稼ぎ頭となっているアメリカでも苦戦を余儀なくされ、その結果として全社的な不振に陥っています。
日産は12月23日にホンダ(本田技研工業)と経営統合に向けた協議を開始する基本合意書の締結を発表しました。あくまでも合意したのは経営統合の協議開始の合意書であり、本当にホンダと経営統合に至るのか、どのような形で経営統合するのかなど、2025年も引き続き日産の立て直しの行方が注目されます。
トランプ政権1年目の2025年はトランプ大統領の動向から目が離せない
2025年はトランプ政権がスタートしますが、上下両院ともにトランプ大統領の与党・共和党が多数を占めており、トランプ大統領の政策は基本的にストレートに議会で法案化され成立します。米議会選挙は2年に一度であり、少なくとも今後2年は本状況が続きます。
2025年はトランプ政権再発足の年として、インパクトのある政策が実行されると予想されます。2025年はトランプ大統領の動向そしてその打ち出す政策と、それに関連する銘柄が注目を集める最初の年となるのではないでしょうか。