兄弟ならではの息の合った掛け合いで笑いを生み出す兄弟漫才コンビ・ミキ。弟の亜生はディズニー映画『ライオン・キング:ムファサ』(現在公開中)の超実写プレミアム吹替版でミーアキャットのティモン役を務め、兄の昴生も「三木家としては大バンザイです!」と喜んでいる。劇場を活動の主軸として漫才と真摯に向き合い、毎年全国ツアー「ミキ漫」も開催している2人。今年は、今まで以上に漫才をしたという手応えを感じているそうで、「自信がついた年」になったと語っている。
本作は、息子シンバを命がけで守った父ムファサ王と、彼の命を奪ったヴィランであるスカーの若き日の物語。親と生き別れ孤児となったムファサと、後にスカーとなる若き日のタカの、血のつながりを超えた兄弟の絆に隠された驚くべき秘密を描く。超実写プレミアム吹替版で主人公ムファサ役を尾上右近、ムファサの“弟”タカ(若き日のスカー)役を松田元太が担当。亜生は前作『ライオン・キング』(2019)に続きミーアキャットのティモン役を演じた。
――兄弟の絆を描いた物語ですが、兄弟コンビであるお二人は共感する部分などありましたか?
昴生:僕らは、弟の方がかわいがられているとか、お兄ちゃんの方が大事にされているとか、そういうことを思って育ってきてないので、いろんな兄弟がいるんだなと思いました。なので共感とは違いますが、教訓みたいな感じで、身内であれ人と自分を比べたらあかんなって思いました。兄弟の絆があるからこそ、寄りかかってしまうと、どっちかがちょっと外したら一気に倒れてしまう。あまり寄りかからないというのが大事だなと思いました。
亜生:兄弟の物語なので、自分らに置き換えて見ようと思いましたが、こういう兄弟もいるんやなと。お互いを思いすぎたがゆえに、こういう風になってしまうというのは、ほんまに教訓として、つかず離れずが一番いいのかなと思いました。
――お二人は仲良し兄弟という印象ですが、10年以上コンビとして活動してきて、関係性に変化はありますか?
昴生:兄弟で仕事をしているというのは特殊ですよね。しかもずっと2人で一緒にいる仕事なので、ちょうどいい距離感でやっていかなあかんなとは思うようになりました。
――お仕事以外では適度に距離を?
昴生:そうですね。2人でご飯とかも行かないです。ラジオ3本やっていて、トークライブもあるので、毎日会ってしゃべっていたら、ラジオとかでしゃべることがなくなってしまうので。
亜生:実家に帰ってしゃべらないと、親は「どないした!?」ってなりますけど、コンビとしては普通だと思います。
昴生:兄弟というのが軸としてあり、あまり関係性は変わっていませんが、入り込みすぎたらムファサとタカみたいになってしまうので、仕事以外ではそんなに話さず、気になることがあっても言わないようにしています。
――仕事以外だと距離を取っていても、いざステージに立つと息ぴったりの漫才を。
昴生:漫才という核があるから大丈夫なんだと思います。打ち合わせもほとんどしないですけど。
亜生:黙っていてもこんなこと思っているんだろうなとか、空気感でわかるのは兄弟コンビの強みかなと思います。
昴生:ちょっと脱線したり速くなったりしても、相手の呼吸がわかるので。ほかのコンビだとそこでガタガタガタってなるかもしれないけど、僕らは歩幅とか足並みが一緒なので、そこはデカいと思います。
――2024年はミキさんにとってどんな年になりましたか。
昴生:今年はいつも以上に漫才やっているなと感じられて、自信がついた年になったと思います。誰かに何か言われたとかではなく、自分らの中での手応えですけど、何か変わりつつあるなと。
――観客の反応などから手応えを?
昴生:自分らの漫才とお客さんの感じを見て、変わってきているなと。自分らの勝手な自己評価ですけど。
――亜生さんも同じような手応えを感じていますか?
亜生:そうですね。今年はほんまに漫才したなという感じでした。
――意識的に漫才を披露する機会を増やしたのでしょうか。
昴生:出番がそんなに増えたというわけではないんですけど、一つ一つが濃くなりました。
亜生:劇場での出順が下がってきたり、お客さんの反応も変わってきたりして、今年はいつも以上に漫才やったなと。
昴生:今後変わりそうな予感が……自分ら的に着実に成長しているなと感じているので、ここから大きくなっていける気がします!
――確かな手応えを感じられていますが、今後の抱負もお聞かせください。
昴生:いずれNGK(なんばグランド花月)の看板をやりたいし、『上方漫才大賞』も欲しいし、もちろん『M-1グランプリ』も頑張りたいですけど、『上方漫才大賞』も『M-1』も自分たちがどうこうではないので、来年も一つ一つの舞台をしっかりやっていきたいと思います。
兄・昴生(1986年4月13日生まれ)、弟・亜生(1988年7月22日生まれ)による兄弟漫才師。京都府出身。2012年4月結成。『M-1グランプリ』で2017年に3位、2018年に4位。また、2020年に『第5回上方漫才協会大賞』大賞、2022年に『第57回上方漫才大賞 奨励賞』を受賞。毎年全国ツアー「ミキ漫」を開催し、全国に笑いを届けている。