河出書房新社は、「急行」「快速」など停車駅やサービスの違いによる列車の種類を表す「種別」に焦点を当てた書籍『列車種別 探究読本』(四六判224ページ、1,630円)を発売した。

  • 列車種別に関するさまざまな情報を紹介する『列車種別 探究読本』

列車の種別とは、鉄道会社が運行上の特徴を明確化するために設定した区分で、おおむね「特急→急行→快速→準急→普通(各駅停車)」の順に停車する駅が多くなる。ただし、同じ「急行」「快速」でも鉄道会社によって位置づけが異なり、種別の頭に「通勤」「区間」などを付けることでさらに細分化している鉄道会社もあるなど、利用者にとって難解な印象も与えてきた。

『列車種別 探究読本』は、一般的な種別から珍しい種別まで全国の鉄道の最新情報を集め、解説する1冊に。読者の興味を引きそうなテーマとして、「各駅停車」と「普通」の使い分け、関東と関西の種別の違い、「準特急」「特快速」など珍しい種別が生まれた理由など取り上げている。JR各社が車両の前面に「特急」と表示しない理由や、静岡県に「新快速」が走らない理由など、一般にはあまり知られていない情報も掘り下げる。

  • 列車種別複雑化の背景を考察

  • 列車種別に関する近年の話題も紹介

  • 『列車種別 探究読本』表紙

著者の新田浩之氏は国内外の鉄道旅行に精通し、鉄道に関する書籍を多数執筆してきた。幼い頃に抱いた「なぜ阪神電車は快速急行が昼間に走るのに、阪急電車は昼間に走らないのか」という列車種別への疑問が、鉄道に興味を持つきっかけになったという。『列車種別 探究読本』を手に取る人に向けて、「知っているようで知らない『種別』のワンダーランドへの案内書として役立てていただければ」と前書きで呼びかけている。