JR貨物は、2025年3月15日に実施するダイヤ改正に合わせ、敦賀港新営業所(福井県敦賀市)の営業を終了すると発表した。敦賀港新営業所から南福井駅までコンテナ貨物のトラック輸送を実施していたが、営業終了後は「最寄りの南福井駅をご利用ください」とのこと。
敦賀港新営業所はかつて敦賀港駅だった場所にある施設。1882(明治15)年、日本海側初の線路が敦賀に敷かれた際、金ケ崎駅として開業した駅で、明治時代末期に欧亜国際連絡列車の運行が始まると、新橋(東京)~金ケ崎(敦賀)間を直通列車が走り、敦賀港から連絡線でウラジオストク(ロシア)へ、そこからシベリア鉄道でパリ(フランス)へ向かう路線が確立されたという。
後に敦賀港駅へ改称され、紆余曲折を経て「敦賀港線」(敦賀~敦賀港間)と呼ばれる貨物支線の終着駅となったが、発送量の大幅な減少もあり、2009年に貨物列車の運行を終了。敦賀港駅については、列車に代わりトラックでコンテナ輸送を行う「敦賀港オフレールステーション」に改めた。「敦賀港線」は列車の運行再開に見合う需要を見込める状況に至らないとして、2016年4月1日から事業を休止。2019年4月1日付で正式に廃止された。
「敦賀港オフレールステーション」は後に敦賀港新営業所となったが、輸送量は減少している。貨物列車を運行していた2006年の1万9,000トンに対し、2017年は8,000トンだったという。「敦賀港線」を廃止した2019年以降もトラック輸送を継続し、2024年3月の時点で南福井駅から3便(敦賀港新営業所の着時刻は9時0分・13時0分・16時45分)、南福井駅へ2便(敦賀港新営業所の発時刻は9時0分・13時0分)を設定していたが、2025年3月のダイヤ改正に合わせ、営業を終了することとなった。