◆賛否両論は“エネルギー”
れなち:アルバム『N / bias』というタイトルには、どんな意味が込められていますか?
中島:昨年ぐらいから今年に入って、いろんな賛否の評価が聞こえてくるなかで、そういうものを全部取っ払って、一度キラキラした中島健人とナチュラルな中島健人のギャップを見ていただきたくて、“すべてのバイアス(偏り)を取り払って新たな中島健人を見てほしい”という意味でつけました。それに、バイアスは“推し”という意味もあるので、『N / bias』は“N(中島)推し”という意味でもあるんですよ。
れなち:最高じゃないですか。(中島さんのなかで)今まで感じてきたギャップや賛否も音楽や役などに昇華できている、みたいなところってありますか?
中島:そうですね。今年の経験から、きっと自分にとっては賛否両論もエネルギーの源になるんだろうな、ということをすごく強く感じて。あとは、クリエイティブなことに対しても、エンターテインメントの表現に対しても、想像と経験を織り交ぜながら新しいものをつくっていくのが“すごく楽しいな”というのを今年は感じました。
◆表題曲「ピカレスク」に込めた思い
れなち:アルバムの2曲目に収録されている「ピカレスク」をはじめ、いろいろな楽曲の歌詞をご自身で書かれているんですね。これまでも歌詞を書く経験はあったかと思いますが、環境が変わったことで(書く歌詞の)変化はありましたか?
中島:(グループで活動していた頃との)圧倒的な違いは、自分で創作したものを表題曲として出すか、出さないかですね。
れなち:そうか。表題曲として出すかどうかってなかなか大きいですよね。
中島:大きいです。「ピカレスク」にも、自分の意識や気持ちを表明するところに重きを置いていたので、(ソロ)デビューアルバムの表題曲を自分でしっかり手がけることができて、アーティスト冥利(みょうり)につきます。
れなち:ピカレスク(悪者)という言葉も、なかなか出てくるものではないかと思いますが、これは何かに影響されて生まれた言葉だったりしますか?
中島:何かを提示して、そこに突き進んだときって(周りから)賛成と否定どちらの意見もあるじゃないですか。でも、いつか“自分の本当の気持ち、自分の奥底にある真実みたいなものをわかってほしい”という気持ちを(歌詞に)込めたので、「今は悪役だと思われたとしても、あなたが信じている人は必ずヒーローだから」ということを頭のなかに思い浮かべて、(それを表現する言葉として)何が一番いいかと考えたときに、16〜17世紀のピカレスク小説からヒントを得ました。
れなち:来年はどんな年になりそうですか?
中島:今年はおそろしいほどにスキルアップを求められて、自分でもそれを要求した1年でしたが、来年はより挑戦することが増えると思いますし、“結果を出す年”じゃないかとも思っています。
れなち:それは“結果を出そう”という意気込みなのか、もしかしたら、ちょっとした焦燥感みたいなものがあるのか……。
中島:“意気込み”のほうかもしれないです。そして、ゆくゆくは自分が後輩とか未来をつくっていく人たちの教科書的な存在になれればと思いますし、今まで見たことのなかった教科書になりたいなと思います。
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<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/darehana/