タッチ決済に対応したクレジットカードなどで公共交通機関に乗車できる、"タッチ決済乗車"。いまや利用できる事業者は100を超え、年末年始、旅行や帰省で地方へ移動する方にとっては便利さが実感できる規模に拡大しています。

タッチ決済乗車の普及状況や便利な使い方についてJCB 加盟店営業統括部 プロダクト推進グループの熊坂 主事と岩崎 係員に聞きました。

  • タッチ決済乗車

チャージ不要で乗車可能、ポイ活もはかどる

――"タッチ決済乗車"について教えてください。

タッチ決済に対応しているクレジットカード、もしくはカードをApple PayやGoogle Payに設定したスマートフォンを専用端末にかざすだけで、公共交通機関に乗車できるサービスです。

専用端末機は、改札の横に置かれていることがほとんどですが、窓口のそばに置かれていることもあります。

  • 公共交通機関によって端末機の設置場所が異なる場合がある

  • タッチ決済対応マーク"リップルマーク"が目印

――「タッチして乗車する」というシステムは、一般的に交通系ICカードの利用を思い浮かべる方が多いと思います。"タッチ決済乗車"のメリットとして、どんなことが挙げられますか?

最大のメリットは、残高不足にならないのでチャージが不要になることです。

急ぎの移動の際、残高が足りずチャージが必要で大慌て! なんてこともありませんし、切符を買う手間もかかりません。

また、交通費の支払いを普段と同じクレジットカードに集約することで、ポイ活をされている方は、より多くのポイントを貯めていただけます。

使える公共交通機関、路線、駅などは確認を

――現在、タッチ決済乗車を導入している公共交通機関の事業者はどのくらいありますか?

ここ数年で急激に利用できる事業者が増えています。JCBが公共交通機関へのタッチ決済の導入推進をスタートしたのが2021年。その後、2022年までに12しかなかった事業者も、現在(2024年12月時点)では113事業者にまで増加しています。都道府県カバー率は66%という状況にまでなりました。2024年度中に140事業者を超えると見ています。

日本でようやく広がり始めたタッチ決済乗車ですが、ロンドンやニューヨーク、シンガポールなど、世界の主要都市では先んじて普及が進んでいます。例えば、ロンドンは既存の交通系ICカードを上回る4分の3の利用率になるそうです。

このようなタッチ決済文化を持った外国人が訪日した際にも、便利に使ってもらえるのではないかと期待されています。

――タッチ決済が利用できる公共交通機関はどこで確認できますか?

JCBではHPで利用可能な公共交通機関をご案内しています。

事業者によっては、利用できる路線や駅などが限られている場合もあるので、利用する公共交通が事前に決まっているようであれば、HPなどで各機関の案内を確認しておくと安心です(現地でもステッカーなどで案内しています)。

  • タッチ決済が使える公共交通機関

空港バスやケーブルカー、フェリーなどの利用もより快適に

――タッチ決済の便利な活用法はありますか?

現在は、公共交通機関のタッチ決済普及期ということもあり、カード会社によってはキャンペーンを実施していることがあります。各会社から届くキャンペーン案内なども確認していただきながら、お得なタイミングでタッチ決済乗車をはじめてみると、その便利さを体験していただけると思います。

日常的に利用する電車・バスだけでなく、空港連絡バスやケーブルカーなどを運営する事業者さんもタッチ決済の導入が進んでいますので、年末年始の旅行・帰省先の移動がより快適になっているかもしれませんね。

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編集部で調べてみると、高尾山のケーブルカーや箱根ロープウェイ、沖縄・八重山エリアのバス・フェリーなどでもタッチ決済が利用できるようだった。公共交通機関のタッチ決済乗車に事前の登録は不要とのことで、年末年始、ぜひ試してみてはいかがだろうか。