エン・ジャパンは12月25日、「2024年の人材不足の状況」についての調査結果を発表した。調査は2024年10月16日~11月11日、同社が運営する「人事のミカタ」を利用する企業277社の人事担当者を対象にインターネットで行われた。
人材不足を実感する企業は88%
「現在、貴社では人材が不足している部門はありますか?」と尋ねたところ、88%が「ある」と回答した。2022年に実施した同調査と比較し、6ポイント増加している。
従業員数別に見ると、100名以上の企業は「ある」と回答した割合が9割を超えている(100~299名以上:95%、300~999名以上:98%、1000名以上:100%)。また、10~29名の企業も87%と高い結果となった。業種別に見ると「サービス関連」(98%)、「流通・小売関連」(96%)が上位だった。
人材不足が著しい職種
現在、人材が不足している部門が「ある」と回答した企業に不足している職種を尋ねると、トップ3は「営業職」(30%)、「施設・設備管理、技能工」(21%)、「技術職・エンジニア(WEB・システム)(17%)だった。
人材不足の原因トップは「退職による欠員」
現在、人材が不足している部門が「ある」と回答した企業に人材不足の理由を尋ねると、トップ2は「退職による欠員」(64%)、「中途採用で人員確保ができなかった」(53%)だった。
検討している対応を尋ねると、最多は「人材採用を強化」(76%)。次いで、「既存の業務を効率化する(ICT化、標準化等)」(35%)、「既存社員の教育、能力向上」(30%)が続く。
人材不足にまつわる悩みや課題
最後に、各社の人材不足にまつわる悩みや課題を紹介する。
賃金上昇・採用コストに関する悩み
- 「新卒採用には、募集賃金の引き上げが必要であることはわかっているが、そのためには既存社員の賃金も引き上げる必要があり、コストがまかなえない。」(流通・小売関連/10~29名)
- 「人員確保し売上アップを目指したいが、採用費(教育費)の捻出が大変。客先からの増員要求に対し、前向きな回答ができない。」(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
- 「当社の賃金水準と転職希望者の希望年収が合致しないことが多いこと。」(広告・出版・マスコミ関連/100~299名)
応募数・応募者に関する悩み
- 「採用部署が頑張って入職数を上げても、現場は『どうせ人を入れてくれるから』と離職防止の意識が低い。」(医療/100~299名)
- 「中堅社員が辞めてしまう。新入社員が続かない。」(メーカー/300~999名)
人事業務の負荷への悩み
- 「採用に避ける時間があまりない中で、採用に対しての期待値が高い。」(IT・情報処理・インターネット関連/30~49名)
- 「人材の採用はしていかなくてはならないが、それに多くの時間を割くことで忙しさに拍車がかかってしまう。」(メーカー/30~49名)