オリコンの連結子会社「新旭」は12月25日、「大阪の喫煙禁止対策に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年11月14日~11月18日、大阪市で生活している20代から60代の男女1,000人(喫煙者500人、非喫煙者500人)を対象にインターネットで行われた。

「大阪市全域の路上喫煙禁止」認知度は?

2025年に開催される国際博覧会に向けて、大阪市内の路上喫煙禁止エリア(現状、繁華街の一部)が2025年1月27日より「大阪市内全域」に拡大される条例改正が施行される。

この「大阪市の路上喫煙対策」を知っているかを大阪市内の生活者に対して、たばこを吸う習慣がある人(以下、「喫煙者」)と、たばこを吸う習慣がない人(以下、「非喫煙者」)、それぞれに尋ねた。

喫煙者で「知らなかった」と回答した人の割合は34.2%で約3人に1人、非喫煙者では49.4%で約2人に1人という結果に。条例改正を約1カ月後に控えていることを鑑みると、認知率は不十分だと言えそうだ。

  • 2025年1月から大阪市内全域で路上喫煙禁止になることを知っていましたか?

路上喫煙対策に反対? 賛成?

大阪市の路上喫煙対策に賛成かを尋ねたところ、喫煙者で「賛成」と回答した人は31.0%、非喫煙者では86.0%と55ポイントもの差があった。喫煙者に関しては今まで以上に条例改正への理解を得ていく必要がありそうだ。

  • 「大阪市の路上喫煙対策」に賛成ですか?

路上喫煙対策に対し、喫煙者の約3人に2人が不安

大阪市の路上喫煙対策に対して、「不安」(「不安はある」と「どちらかというと不安はある」の合計)と回答した人の割合は、喫煙者は67.0%(不安はある:30.4%+どちらかといえば不安はある:36.6%)、非喫煙者では39.6%(不安はある:12.2%+どちらかといえば不安はある:27.4%)だった。喫煙者では、約3人に2人が何らかの不安を抱えている実態が明らかになった。

  • 「大阪市の路上喫煙対策」に不安はありますか?

続いて、不安の理由を尋ねたところ、喫煙者で最も多かった回答は「喫煙所や喫煙可能な施設が不足している」で88.4%となり、10人中9人もの喫煙者が喫煙場所の不足を不安視していることが分かった。また非喫煙者では、「対策内容が十分に知られていない」が最も多い回答で55.1%だった。非喫煙者に対しては、大阪市の路上喫煙対策に関する情報を今まで以上に発信していく必要性が示唆された。

  • 「大阪市の路上喫煙対策」に不安と回答した方へ、不安がある理由としてあてはまるものをすべてお選びください

「喫煙できる場所」を増やすべき?

大阪市の路上喫煙対策を前に、大阪市は「大阪市指定喫煙所」(公園、商業施設内の喫煙所)の開設を発表していた。その大阪市指定喫煙所を含め、喫煙所・分煙施設、飲食店、カフェといった「喫煙できる場所」を増やすことは、路上喫煙禁止の効果を高めると思うかという質問に対して、喫煙者に絞った場合の「思う」という回答割合(「思う」と「どちらかというと思う」の合計)は80.6%(思う:47.6%+どちらかというと思う:33.0%)、非喫煙者では63.0%(思う:20.6%+どちらかというと思う:42.4%)と、全体として喫煙できる場所を増やすことは、大阪市の路上喫煙対策の効果を高めることに寄与できることが示唆された。

  • 大阪市内に「喫煙できる場所」を増やすことは、路上喫煙禁止の効果を高めると思いますか?

一方で、大阪市指定喫煙所の「140カ所」(調査を実施した2024年11月時点)という数についての印象を尋ねたところ、「増やすべきだと思う」という回答が、喫煙者では最も多い68.6%だった。非喫煙者で最も多い回答は「現状のままで良いと思うが、不要な場所を減らして必要な場所を増やす等の工夫は必要」の32.2%だった。一方、「減らすべき」という回答割合は喫煙者は1.0%、非喫煙者では13.8%と、それぞれ最も低い回答割合にとどまった。大阪市の路上喫煙対策の効果を高めるに、さらに大阪市指定喫煙所を増やしいくことが求められそうだ。

  • 「大阪市指定喫煙所」の数に関して、今後どのようにすべきだと思いますか?

「飲食店内の原則、喫煙禁止」に懸念も

大阪市の路上喫煙対策に加えて、大阪府では2025年4月から従業員を雇用していて、客席面積が30平米を超える飲食店内を原則、喫煙禁止とする予定だ。この「大阪府の飲食店内の原則、喫煙禁止」についての印象を尋ねた。

その結果、喫煙者で最も多い回答は「喫煙できる場所(大阪市指定喫煙所など)をもっと増やすべきだと思う」で48.2%、次に多い回答は「喫煙場所が減り、困る人が増えると思う」で47.8%だった。喫煙者の約2人に1人が喫煙できる場所が減ることを懸念していることが分かる結果に。

非喫煙者に関しては、「非喫煙者の健康や快適さが守られるので、良いことだと思う」が突出して回答割合が高く約3人に2人となる67.0%だった。この質問は、喫煙者と非喫煙者の回答に差が出る傾向があり、「非喫煙者の健康や快適さが守られるので、良いことだと思う」は最も大きい40.2pt差だった。

  • 「飲食店内の原則、喫煙禁止」について、あなたが感じることに近いものをすべてお選びください