テクノロジーの進化、不安定な社会情勢――。目まぐるしく変化する時代において、個々人のスキル開発や能力向上は、一層の重要性を増している。そこで本記事では、2024年・2025年の学びトレンドを深掘りする。
今回は、インターネットでの学びや教育を起点とした社会変革を行うSchooに、2024年に人気だった授業や2025年のトレンドになりそうなトピックスを教えてもらった。
■2024年の学びトレンドは?
カテゴリー別学習傾向は、昨年人気だった「PCスキル」の授業に代わり、「コミュニケーション」をテーマとする授業が上位を占めた。授業別に見ると、2024年に人気があった授業において、個人・法人ユーザーともに「相手にスッと伝わる やわらかロジカルシンキング」がトップに輝いた。
同社によると、働き方が変化し続ける中、改めて必要なビジネススキルとして「コミュニケーション力」に注目が集まったという。2024年は「コミュニケーション」をテーマとする授業のニーズが全年代で多かったほか、「仕事術」を学習テーマとする授業も昨年に引き続き人気となった。
あらゆる領域で「時短」「タイパ」が叫ばれている昨今の社会トレンドの影響を受け、より業務を短時間で効率的に進めたいという意識を読み取ることができる。
一方、個人では昨年に引き続きDX関連の人気が高い結果に。昨年、上位だったChatGPT初学者向けの授業から「ChatGPTで仕事・趣味をブーストする方法」や「GPTsを使えるようになろう」といった授業が上位にランクインしたことから、ChatGPTに"触れる"から"使い倒す"へと変化したことがうかがえる。
また年代別に見ると、大きく特徴があったのが20代の若手層と50代・60代のミドルシニア層だ。
20代は「コミュニケーション術」が上位にランクイン。今の20代はコロナ禍でオンライン中心の大学生活を過ごした世代のため、社会人になってオフラインでのコミュニケーションに課題や悩みを感じた結果、特に「コミュニケーション術」の人気が高まったのではないか、と同社は推察する。
60代では「DX」のカテゴリーが上位に複数ランクイン。ChatGPTをはじめとする生成AIの台頭を受け、新たに学び始める人も多かった。AI初学者でも基礎から学べる授業への人気が集中した。
■2025年の学びトレンドは?
リモートワークからオフィス回帰をする企業が増えるなど、働き方が再び変化することが2025年も予測される。
同社によれば、2025年に注目すべきは「業務効率化」に関する学び。団塊世代の後期高齢者入りによるビジネスケアラーのさらなる増加や、政府が掲げる男性の育児休業取得率50%を目指す年でもあり、これまで以上に"働き方"に注目が集まるとのこと。
より複雑かつ多様になる働き方において、ワークライフバランスを整えるためにも、これまでのデジタル人材育成のための取り組みと併せて、業務効率化のための学びニーズがさらに高まることが推察される。
また、「ミドルシニア」のリスキリングも注目テーマの一つである。2024年のSchooの視聴時間数が伸長しているのは50・60代のミドルシニア世代。全体の視聴時間は2019年と比較して約2.9倍に増加しており、特にミドルシニア世代では約4.5倍と大幅な伸びを記録している。
人生100年時代を迎え、働く時期の長期化も避けられない現代において、ミドルシニアのリスキリングは年々増加傾向に。その中でも特にデジタルスキルへの関心が高まっており、DX全般やChatGPTなどトレンドテーマの入門授業の人気が高く、2025年もその傾向は続くと考えられる。
急速に変化する社会の中で、スキルの獲得やアップデートはもはや一部の人だけのものではないはずだ。みなさんも、未来を切り開くスキルを"学び"によって手に入れてみてはいかがだろう。