KDDIは、12月29日・30日に東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット105」において、屋外での通信品質向上対策を実施する。
東京ビッグサイトは、館内全域のau 5Gエリア対策が2021年に完了しており、館内でのイベント参加においては快適に通信を利用できるようになっている。しかしコミックマーケットの開催期間は、開場前に多数の参加者が待機列に並ぶなど、周辺の屋外での通信需要が高まるため、そこでの通信環境が不安定になることが予想される。
KDDIは2023年末に開催された「コミックマーケット103」でも同様の臨時エリア対策を行っているが、同社は2024年に衛星干渉の緩和による出力アップや基地局のアンテナ角度の最適化を実施して5G Sub6のエリア拡大を行うとともに、スループットとレイテンシの改善に取り組んだ。それらの施策と臨時エリア対策により、開催期間中に安定した携帯電話サービスを提供することを目指している。
次の地図が具体的な臨時エリア対策のイメージだ。対策エリアの東側は東京ビッグサイトの東にある東側駐車場に設営する5G車載基地局が、西側は西展示棟の屋上に設営する可搬型基地局が、それぞれカバーする。
5G車載基地局では、Massive MIMOを活用する。基地局側で伝送路状態を高精度に推定することで複数の端末との同時通信が行えるため、従来は複数の端末でシェアしていた周波数を1台1台に割り当てることが可能となり、個々の通信が快適になる。
また、基地局トラフィックの監視とそのトラフィックを複数の周波数間で最適な形へ分散させるオペレーションを自動で行い、リアルタイムでトラフィックの変化に追従して適切な割り当てを行う技術も活用する予定だ。