京福電気鉄道は、嵐電(嵐山線)に導入を予定している新型車両モボ1形「KYOTRAM(きょうとらむ)」7両のうち、1両目が2025年春にデビューすると発表した。新型車両のデビューに合わせ、新たな嵐電ロゴマークも制定する。

  • モボ1形「KYOTRAM」(2024年12月20日撮影)

新型車両モボ1形「KYOTRAM」は、「京都のまち・ひと・くらしとともにある路面電車」としてデザインされ、先頭部に伝統的なラウンドフォルムを採用。ボディは嵐電の象徴である京紫をまとい、コントラストを効かせたホワイトとブラック・グレーの配色と、シルバーの腰帯を組み合わせた。

「人にやさしい路面電車」をめざし、車外にホーム検知装置や光電センサー、車両側面監視カメラを搭載して乗降時の安全性向上を図る。正面行先表示器に大型LED表示器、側出入口横の小型固定窓にガラス一体型LCD案内表示器を採用し、行先表示等の視認性向上や多言語表記などによる旅客案内を充実させている。

  • 「KYOTRAM」完成予想図

  • 内装イメージ(バケットシートとスタンションポール)

  • 内装イメージ(出入口付近から車内全景)

内装においては、座面幅460mmのバケットシートを採用して快適性を向上。優先座席を各端部に計8座席配置したほか、座席側に湾曲し通路幅を広くする小型仕切板一体型スタンションポール(縦方向手すり)を採用している。

出入口ドアは両引戸とし、現行の側引戸と比較して出入口幅を100mm拡大。出入口付近のスペースも拡大し、車いす・ベビーカースペースと簡易テーブルを設置した。室内照明は暖色LED、側天井面を照らす間接照明を採用。車窓からの眺めをより楽しめるように、側窓を大型固定窓化した。空調装置に「ナノイーX」発生装置を搭載し、安心・快適な車内空間としている。

「地球にやさしい路面電車」として、省エネルギーを実現するVVVFインバータ制御と回生ブレーキを導入。1両あたりの消費電力量は現行車両の約半分となる見込みだという。「KYOTRAM」は2024年度に1両、2025~2028年度に6両、計7両を導入する計画。1両目の営業運転開始日については、2025年1月下旬の発表を予定している。

  • 新たな嵐電ロゴマーク

  • 嵐電ロゴマークのデザイン意図

  • 「KYOTRAM」 ロゴマークと車両番号表記

「KYOTRAM」のデビューに合わせ、「KYOTRAM」のロゴマークと同じ世界観でデザインされた新たな嵐電ロゴマークも制定した。「嵐」と「電」という2つの漢字の成り立ちに遡り、ひとつの象徴的な図形に融合することでシンボルマークを生み出し、歴史の深みと親しみ感のあるモダンな印象を兼ね備えた嵐電の新しいシンボルとなる。

要素を凝縮する際は、京都らしい「碁盤の目の街並み」「源氏香に用いられる象徴的な記号性」、嵐山の竹林を連想させる「竹の網代文様」のエッセンスを加えたとのこと。新しいロゴマークは「KYOTRAM」の車体のほか、嵐電の施設やパンフレットなどに使用される。