北九州モノレールを運行する北九州高速鉄道は、2025年に開業40周年を迎えるにあたり、老朽化に伴う設備更新に向けた技術革新へのチャレンジとして、無線式列車制御システム(CBTC)を導入すると発表した。CBTCの導入は国内のモノレールで初とのこと。
開業40周年を迎える北九州モノレールは本格的な設備更新時期にさしかかっており、コスト面と技術面のバランスを考慮した更新方法を検討。環境負荷低減や効率の良い運行体制の構築などを目標に、新しい技術も積極的に取り入れるとしている。そのひとつであるCBTCについて、技術的な安全性の評価を終え、導入に向けての一歩を踏み出したという。
現在、北九州モノレールは自動列車制御装置(ATC)のシステムを採用。モノレールにおけるATCは、桁に設置されたループコイルを介して地上から車上に信号現示を送信しており、有線の電気信号により制御を行う。これに対し、CBTCは駅舎と列車に設置した無線機を用い、地上・車上の双方向通信による列車制御を実施。地上装置が先行列車の位置等をもとに後続列車の走行可能な位置を算出し、無線により後続列車に伝える。後続列車は自ら走行可能な速度を掲載し、運行を制御する。
無線通信での情報信号によって列車を制御するCBTCの導入により、設備のスリム化、メンテナンス費用の削減につながるだけでなく、より効率的な列車運行も可能に。小倉~企救丘間の所要時間を短縮するなど、サービス向上につながることも期待されている。
なお、CBTCに関して、今月から東京メトロ丸ノ内線でも導入されており、日本の地下鉄で初めて使用開始したという。北九州モノレールがCBTCを導入すれば、国内のモノレールで初の事例となる。「今後も各種更新にあたり、同様のチャレンジを行いながら、お客さまに『安全』『正確』『快適』『安心』をご提供できるよう努めてまいります」とのこと。