最新製品がずらり、ASUSが年の瀬に今年最後のイベント開催

2024年12月21日、LIFORK秋葉原Ⅱにて「ASUS NEXT GENERATION CUSTOM PC 2024 Winter」をASUS JAPANとテックウインドの共催で開催。機材協力としてマイクロンの名もありました。

内容は新製品を含むASUS製品の紹介展示と解説、マイクロン製品と購入のポイント紹介と座談会で構成されていました。

  • 来年1月と2月イベントの予告も?! ASUS NEXT GENERATION CUSTOM PC 2024 Winterを見てきた

    ASUS NEXT GENERATION CUSTOM PC 2024 WinterがLIFORK秋葉原Ⅱで開催されました

景品が貰えるキャンペーンとして指定ハッシュタグをつけてXに投稿するとオリジナルグッズが貰えるようになっており、タグは全部で3種類なので三種類の景品に加え、インテルかASUSのバッグがもらえました。

  • 入口はいつものごとく特典引き換え会場。今回は三種類の指定ハッシュタグ付きX投稿でアイテムがもらえます

  • グッズはASUSグッズ(左)以外にIntelグッズ(中央)、そしてMicronグッズ(右)と結構ありました

  • 今回の戦利品。Intelトートバッグ、Intel Core LEDライト、Intel CoreガジェットケースとASUS AI Noise-Canceling Micアダプター

  • 会場に入ると新製品山盛り。しかも今回はZ890マザーの第一弾製品だけ。後ろの棚には箱がずらりと並んでいます。マザーボードのイルミネーションはUSBモバイルバッテリを使って光らせています

  • マザーボードは10種類を展示。ROG、TUF、Primeとシリーズがありますがこれで第一弾……販路限定版も一部展示されています

展示は最新のZ890マザーに加えて、新作のケースと作例。そしてASUS初のゲーミングチェアを展示。ゲーミングチェアの発売は「全く未定(会場スタッフ)」との事で今後のアナウンスに期待したいところです。

  • 作例は今回4つ。これは市川氏が組み立てたもので、この組み立て工程動画は公開中

  • 新作ケース。左はTUF Gaming CASE GT502 Horizonで、最近流行の2面ガラスのピラーレスケース。強度を出すために発売が延滞していましたが、30kgの荷重に耐えるようになりました。右はPA602 Wood edition。トップとフロントがウッド素材になっています

  • GR701 ROG HYPERION BTF EDITIONを使った作成ですが、Z890マザーボードにはまだBTF版がないのが残念。第二段以降に期待したいところ

  • TUF Gaming CASE GT502 Horizonは光りませんが、光らせるための専用オプションが用意されています。専用パーツゆえに取り付けも簡単

  • 最近のマザーボードトレンドは簡単DIYのための機構。ASUSの場合Q-Designと称しており、これを体験できるスペースがありました

  • ProArt Z890reator Wifiで体験でき、内側に凸凹のあるヒートシンクがわかるほか、M.2 Q-Slide機構により、M.2 SSDが2230~22110までネジなしで簡単装着。画像では一つ目のPCIeスロットしか写っていませんが、二番目のPCIeスロットにもバックパネル側から持ち上げるだけでロック解除されるPCIe Slot Q-Release Slimが装備されておりデザイナーや設計現場での「表示用GPUと演算用GPUをつける」際に威力を発揮しそうです

  • PA602 Wood editionの部分拡大。黒く塗られているので気づきにくいですが、確かにウッド素材です。白くすると別会社のような意匠になるので、素材と色を変えているとの事。また会場に展示がありませんでしたが、サイドガラスの従来タイプに加えてメタルサイドパネルモデルも用意されています

  • 先行展示のゲーミングチェアもありました。オーソドックスなタイプからメッシュタイプ、背面が光るとラインナップも多彩。ただし投入時期は「全く未定(説明員)」

  • メッシュタイプの拡大。これまでにも映り込んでいましたが、指定ハッシュタグとカンタン入力ためにQRコードが用意されていました

  • メモリ関係の機材提供はmicronという事もあり、micron製品が一通り展示されていました。惜しまれつつ販売終了となったMX500シリーズも展示中

Z890マザーの一気紹介だけでなく、ケース新製品も!

イベントはまず、ASUSの市川氏と声優の村井理沙子氏によるZ890マザーの紹介から。マザーボードの紹介に関しては過去の記事を見て欲しいと思いますが、ASUS的には初期発表のマザーがすべて販売開始になったというところがポイントでしょう。一方、以降の製品も予定されており「BTFが出る」ことを匂わせていました。

  • まずはASUSのZ890マザーの紹介から。ただし、すでに発売済製品で記事も多いのでザックリ。この時点ではASUSの市川氏と声優の村井理沙子氏の二人でした

ボードのカッコよさでは第一弾の中では後から販売されたProArt Z890 reator Wifiが興味を引きました。一般にマザーボード上のヒートシンクは放熱性を考えてトゲトゲしているのですが、このマザーボードはアールの付いたツルっとしたデザインです。ただ、内側に凸凹があるのでエアフローがあれば十分冷えるという仕組み。

市川氏は個人的には一番組みやすい、ボタン一つですべてのM.2ヒートシンクが外れるとコメント。

後で実機を見て気づいたのですがPCIeの固定が非常に楽になるPCIe Slot Q-Release Slimの機構が二つ付いているのも印象的です。

  • マザーボードとして一番面白そうなのがProArt。機能も豊富なうえに、渋いルックス

  • 最近各社が力を入れているのが簡単DIY。特に上のふたつの機能は非常によいと思います

  • 市川氏曰く「ようやくマザーボードがケースに追い付いた」と、QC4にも対応したコネクタを装備。フロントパネルで急速充電ができるようになります

ケースに関しては二つ紹介しました。「TUF Gaming CASE GT502 Horizon」はいわゆる二面ピラーレスケースですが、ピラーがないため強度問題が発生して発売が延滞していたと紹介。カラーは白と黒の二色展開。また、光るとイヤ、光らないとイヤと相反するコメントに対し、光るオプションを専用で用意しているというのがポイントです。専用設計でパチっと取り付けられてなかなかいい感じに見えました。

  • TUF Gaming CASE GT502 Horizonのポイント。二面ガラスピラーレスケースとトレンドを抑えつつ、ライティングは別売りで光らせたくない人にもアピール

もう一つがProArt用のマイナーチェンジ版「PA602 Wood edition」でフロントとトップがウッドになっているものです。「それって何とかデザインじゃないか?」という声に対応するため、ライバルメーカーがウォルナットを採用しているのに対し、強度のあるアッシュ材を採用。また、黒く塗っていることでウッドっぽくないのもポイントでした。

以前はサイドがガラスパネルでしたが、今回は加えてガラスパネル版に加えてメタルパネル版も用意されており、よりシックに中が見えないケースになっています。すべてProArtで揃えて欲しいという気もしますが、黒くてカッコイイケースを求める人に向いていそうです。

  • PA602 Wood editionはウッドパネルを採用しているのがポイントですが、黒でシック。「今回のイベント紹介製品で何か一つ贈呈」と言われたら間違いなくコレを選びます

  • 従来のサイド強化ガラス以外に、メタルサイドパネル版もあり、黒いケースとしては非常に良い出来です

最後はキャンペーンでマザーボードを購入した方を対象に「2024 年末ASUS 自作パソコン組み立て 感謝祭」を実施と紹介。

「景品表示法の関係で景品最高額のROG Azoth Extremeは(話題となった)5000円マザーはだめだが、今日店舗で売っている7000円のマザーは大丈夫」との事でした。

ちなみに景品はROG Raikiri Pro/ROG HARPE ACE MINI白/ROG HARPE ACE MINI黒/ROG Falchion Ace HFX/ROG Harpe Ace Extreme/RT-BE92Uが各5名で、ROG Azoth Extremeが三名の計33名となっています。

  • 今年最後のキャンペーンはマザーボード購入で当たるイベント

  • 「一番良い景品を当てるためにはこれを買えばよい」と言われましたが、このイベントに来場する方がいまさらこれを買うわけはない……ですね。こっそり予告しますが、来月この景品表示法の特例記事を掲載予定です

RAMは32GBが当たり前の時代となり、Z890はCUDIMM対応で最大256GBも可能に

メモリに関してはマイクロンジャパンの宮本貴通氏が解説。10月のイベントでは「ロゴが変更になって新ロゴのシャツがまだできていない」と"アイダホポテト"柄のパーカーを着用していましたが、それがウケたのかステージ上の全員(宮本/市川/村井氏)がアイダホポテトパーカーに着換ていました。

  • マイクロンジャパンの宮本貴通氏。先日の「AMD FAN FES 2024 in AKIBA」でも半ば飛び入り参加していました(これで最後のじゃんけん大会の景品が二つ増え、UltraRereグッズが景品に!)

今回はmicron crucial本部の画像を見せており「美味しいケーキ売っていそう」という感想も。

  • crucialの本部の最新外観。菓子工場兼店舗ならワンチャンあるかも。Google ストリートビューは記事作成時旧ロゴでした

メモリの歴史と言いつつ途中をバッサリ省略して「DDR5 CUDIMMに至りました」のスライドで笑いを誘いつつも20年ぶりのJEDEC新規格となる、CUDIMM/CSUDIMMを紹介。

  • Arrow Lakeから新たに採用されるJEDEC最新のメモリ規格がCUDIMM/CSODIMM。標準で6400MT/Sec以上をサポートします

従来のUDIMMはメモリコントローラー(≒CPU)側がメモリクロックを生成していましたが、UDIMM規格は6000MT/Secまで(それよりも速いOCメモリも存在します)。対して、Arrow Lakeから対応するCUDIMMはメモリモジュール内にメモリクロックジェネレーターを内蔵することで6400MT/Sec以上の転送に公式対応する製品となります。ちなみにDIMMスロットにCUDIMMを刺しても一応バイパスモードで動くことになっていますがオススメしないとの事(UDIMMが市場から消えた際の対応でしょう)。

micronはインテルとのコラボで64GB製品の最初の検証を行った企業となり、これによって4スロットのマザーボードで最大256GBまでの対応が可能になると説明しました。

ただし現在市場に出ている製品は(10月から変わらず)16GB製品のみでcrucial.comでの通販のみです。日本からのアツイリクエストがあれば日本で小売りするべく本社も動くハズ(本社は日本語のSNS投稿もチェックしている)、ASUSさんとバンドルキャンペーンしたいとアピールしていました。

メモリの選び方としてはまず、RAMに関してから。ゲーマーには推奨メモリの1.5倍以上をおススメしていました。

ゲーム会社の推奨は「他に何もプログラムを動かしていない」場合の数値なので、一般ユーザーは余裕を見たほうが良いという事。スピードも速い方がベターでCL値も低い方が望ましいけれども、まずは容量を確保して欲しいと力説。

配信や動画、写真編集ユーザーに関しては「黙って32GB」をおススメ。OCをして無理をすると止まることがありえるので安定稼働のためにJEDECの標準プロファイルで使うことを推奨していました。

  • メモリは容量が正義。配信や動画・写真編集の人は定格で使うのもポイントです

SSDに関しては「今は過剰と思われるかもしれないが超高速なドライブのニーズは必要となる」とGen5の製品をおススメしつつ、ゲームインストールや動画文書フォルダはコスパのよいQLCを推奨。逆に動画編集用ドライブに関しては書き込み耐性の良いTLC製品をおススメしていました。

QLCに関しては書き込み耐性がTLCよりも劣るものの、読み取り専用なら問題ないですし、最近の製品だと書き込み寿命が来ても読み込みだけできる製品があると紹介(私もAndroidタブレットに入れていたMicroSDHCカードで書き込み寿命が到達した経験があり、この際はSpotifyが書き込めなったためか再生不能になりカード不良に気づきました。どのように実現しているか宮本氏も説明していなかったのですが、比較的新しいNANDコントローラーの機能なのかもしれません)。

  • 一つだけおまぬけ製品を。T705 Gen.5 M.2 SSDにはヒートシンクがついていますが、PS5に入れようとするとヒートシンクが大きすぎて収まらないので「サードパーティーのヒートシンクに交換しろ」と注釈が入っています

  • SSDも大容量利用とセールス。ところで「1TBの見られたくないファイル」って何でしょうか?

M.2 SSD以外の変わり種として外付けSSD X9 Pro/X10 Proも紹介。非常にコンパクトでスピードも速くおススメとしつつ、キャッシュDRAMのない製品なので一眼レフに接続しての動画撮影は苦手と欠点も説明していました。

来年は容量アップ製品とPCIe Gen.5の新製品が「あるかもしれない」とフワっと予告していました。セールも合わせて期待したいところです。

  • こんなものもあると外付けSSD X9 Pro/X10 Proも紹介していたのですが、大人の事情でスライド画面は記事掲載できません。市川氏が「私も使ってます」とアピール

市川氏は年始の新製品に続いてBTFの発表。TGSで幕張に一週間泊まり込みつつバックヤードでプレスリリース原稿を書いていて、AMDとIntelが新製品を出すと忙しかったと総括していました。

しかし来年6日に新製品の発表が予定されており、I/A/N社すべて新製品を発表予定があるので、ヘビーな一年が来年も続くと発言していました。

この新製品紹介のためか1/2月共にまたイベントがあると予告をしていました(詳細は語っていませんが、すでに両月とも会場予約済で1月は末頃との事です)。

  • 最後の座談会はASUSの海野洋一氏(一番右)も加わっていました