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パナソニック オートモーティブシステムズが「東京オートサロン2025」にクルマを出展する。2024年に続く参加なのだが、展示スペースを昨年比5倍に拡大するそうだ。なぜパナソニックは自動車分野に力を入れるのか。展示するクルマの概要は? 説明会で聞いた。

( Life )

パナソニックがカスタムカーの祭典に参加! しかも展示スペースは前年比5倍! 何が目的?

DEC. 23, 2024 07:50 Updated DEC. 24, 2024 14:35
Text : 室井大和
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パナソニック オートモーティブシステムズ(PAS)がカスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」にクルマを出展する。2024年に続いての2回目の参加なのだが、展示スペースを前年比5倍に拡大するそうだ。なぜパナソニックは自動車分野に力を入れるのか。展示するクルマの概要は? メディア向け説明会で詳しく聞いた。

  • パナソニック オートモーティブシステムズ(PAS)の東京オートサロン2025

    「東京オートサロン2025」(2025年1月10日~12日、幕張メッセ)のパナソニックブースは前年比5倍に拡大! 何を展示する?

クルマは移動空間、パナソニックは空間価値を追求

PASが展示するのは「エンタメやビジネスで快適に移動できる車両」であるとのこと。同社は今後、これまでの「モノ」(製品)の販売に加えて、快適に過ごす「コト」(体験)を提供するビジネスモデルを構築していくという。従来は運転するために必要な機能を個別に提供してきたが、これからは運転席を含めた車内全体の移動空間の価値「空間価値」の提供を目指すそうだ。

ここのところ、観光で使われるバスやタクシーに快適さや高級感などを求める声が高まっている。空間価値をいかに高められるかが重要視されつつあるのだ。そんな背景からPASは、「PASがクルマの体験を変えに来た」というキャッチコピーのもと、快適な車内空間を実現する機器と特別な体験ができるコンテンツ、つまりハードとソフトの両面から空間価値をアピールしていく方針だ。

東京オートサロン2025では、クルマの移動空間に魅力的な価値を与える「空間価値提供」というテーマを掲げ、旅行やスポーツ観戦、VIP向け執務空間などに特化した車両「WELL Cabin Luxe(ラグゼ)」「WELL Cabin GranLuxe(グランラグゼ)」、美容や睡眠などのコンセプトを持つ多目的移動式トレーラーハウス「WELL Cabin OFFMO(オフモ)」などを出展する。前回比で約5倍の展示スペースを活用し、6台の車両を展示するとのことだ。

どんなクルマを出展?

ラグゼはトヨタ自動車「アルファード」がベース。車載としては最大のサイズとなる透過型の55インチディスプレイが最大の特長だ。

  • パナソニック オートモーティブシステムズ「ラグゼ」

    ラグゼはトヨタ自動車「アルファード」がベース。PASがシステム開発を担当した。乗員は後席に2名が乗車できる

大きな画面でスポーツを観戦したり、Web会議モニターとして打ち合わせの資料を投影したりすることができる。ディスプレイは透過型となっているため、利用していないときは、運転席から後方を見る際の視界を遮る心配もない。利便性と安全性を両立したシステムだ。非可聴音を再現する臨場感のある3Dハイレゾリューション対応のサウンドシステムも組み合わされているとのことだから、幅広い映像コンテンツが楽しめそうだ。

そのほか、リラックス、やる気、集中などに効果が期待できる3種類のアロマや、気分や雰囲気によって色調や調光などを制御・変更できるライティングシステムも採用されている。

  • パナソニック オートモーティブシステムズ「グランラグゼ」

    「グランラグゼ」は「ラグゼ」とほぼ同様の装備で、トヨタの「ハイエース」をベース車両としている。車内空間は広大で後席に4人が乗車可能

オフモは「美容」「睡眠」「音楽」の3つをコンセプトとする多目的移動式トレーラーハウス。ハウス内で化粧品を試したり、快適な仮眠を体験したり、プライベート空間でエンタメが堪能できたりするトレーラーハウスで、移動が容易でどこにでも設置可能なマルチパーパスルームとして提案する。

  • パナソニック オートモーティブシステムズ「オフモ」

    多目的移動式トレーラーハウス「オフモ」。すでに公道を走行できる状態に仕立てられている

  • パナソニック オートモーティブシステムズ「オフモ」

    「オフモ」は「美容」「睡眠」「音楽」という3つの展示コンセプトで設計。それ以外のコンセプトも今後検討していくという

それで…商品化は可能なの?

ラグゼ、グランラグゼ、オフモはいずれも、PASがキャビン全体のシステムを開発している。担当者は「家電などで培った技術を投入しました。パナソニックだからできるシステムの統一感と一体感が魅力です。例えば睡眠に特化したトレーラーハウスでは、風の流れで快適に過ごせる技術や、空気中の水分を微細化したナノサイズの微粒子イオンで除菌や脱臭効果などが期待できる『ナノイー』を活用しています」と話す。

展示予定の車両はいずれも車検を取得済み。すでに公道を走行できる状態になっている。2025年に試作、試運転などの最終調整を行い、早ければ2026年から実用化・商品化できるようにしていくそうだ。

車内を快適にする商品は多くの会社が手掛けているが、システム開発の段階から担っているケースは珍しいのではないかと思う。家電の技術に長けたパナソニックだからこそできる快適空間というのは、クルマを市販化する際の強みとなるだろう。現在はアルファードやハイエースなどが中心だが、今後はさらに車種が拡大し、ハードとソフトの両方でバリエーションが増えていくことに期待したい。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。