ビザ・ワールドワイド・ジャパンは12月23日、「2024 MAMA AWARDS」のデータ分析結果を発表した。
イベントの来場者
同イベントは、2024年11月22日並びに23日に大阪で開催された世界最大級のK-POP受賞式。2日間にわたる同イベントの来場者をVisaデータから見ると、94%が日本国内("国内イベント来場者")で、6%がインバウンド旅行者("インバウンド来場者")で占められていた。同イベントの来場者の出身地域は、26以上ものマーケットにわたり、上位5つのマーケットは、中国、台湾、韓国、香港、米国となっている。このことからも、世界中の多くの人に注目されているイベントであることがうかがえる。
また、インバウンド来場者の日本滞在期間は長く、平均的な滞在期間は、17日間で、特にヨーロッパからの来場者は、3週間程度の滞在をしている場合もあり、例えば、フランスやノルウェーからのインバウンド来場者は、平均24日間、英国は21日間という結果も見えてきた。
消費のインパクト
イベントの経済的な効果も明らかになった。イベントの期間の稼働カード1枚当たりの消費額は、昨年の同期間と比べ、18%増だった。全体的な平均消費額の増加率(自然増)は11%で、この差である7%消費増は、イベントによる消費効果とみられる。
なお、「イベントの期間」とは、イベント開催当日の前後3日間ずつ(トータル8日間:11月19日から11月26日)を指す。昨年の同期間とは、昨年の同じ期間を指す。
しかも、その増加はイベント・チケットによる増加分だけではなく、それ以外の業種での波及効果も見られた。イベントの期間、イベント来場者が特にデパート、アパレル/アクセサリー、電子機器を含むショッピングと、飲食で多く支払いをしていることがわかった。例えば、支払いの内訳をみると、ショッピングが41%を占め、続いて飲食が19%、そして、交通に12%という結果だった。
インバウンド来場者についてみてみると、イベントの期間、国内イベント来場者よりも稼働カード1枚あたりの消費額が26%多いことがわかった。特にショッピングと飲食においては顕著な差が見られた。ショッピングにおいてはインバウンド来場者が国内イベント来場者に比べて、90%多く消費しており、飲食においては、30%と、イベントに来場するのみだけでなく、滞在を楽しみながら、より高額の消費をしていることが明らかになった。
タッチ決済利用状況
データからは、Visaのタッチ決済による取引の普及についての興味深い結果も見えてきた。イベント来場者は、イベント非来場者に比べて、イベントの期間、対面決済においてVisaのタッチ決済を利用した割合が多いことがわかった。国内イベント非来場者が27%の利用に対して、国内イベント来場者の場合は、41%と大きな差が見られた。さらに、インバウンド来場者の場合は、対面決済の約6割(58%)がタッチ決済で行われていることがわかった。約200の国と地域で利用でき、全世界のVisaの対面決済のうち、70%以上がタッチ決済で行われている中、自国で当たり前の決済手段となっている、便利で安心・スピーディな決済方法を自国以外でも利用することで、よりスムーズな決済体験を利用する人が多いことがうかがえる。
交通機関でのタッチ決済の利用
イベントの期間を含む2週間(11月19日から12月2日)と、イベントの期間前の通常の2週間(11月5日から11月18日)で、交通機関でのタッチ決済の利用を比較したところ、国内イベント来場者では、イベントの期間を含む2週間は通常の2週間にくらべて、約2%増加していることがわかった。一方、国内イベント非来場者の場合は、タッチ決済の交通機関での利用はわずか、0.06%増加したにすぎない。イベント会場でのタッチ決済の認知向上の活動が、イベント会場以外の交通機関でのタッチ決済の利用に貢献したと考えられる。