ディライトは12月19日、「東京都23区内における葬儀の意思決定」に関する調査の結果を発表した。調査は2024年12月3日~12月5日、東京都23区に在住し喪主経験がある1,056人を対象にインターネットで行われた。

葬儀社の選びの基準は「費用の明確さ」がトップ

  • 葬儀社を比較・検討する際、重視した点は何ですか?(上位3つまで回答)

「葬儀社を比較・検討する際、重視した点は何ですか?(上位3つまで回答)」と質問したところ、全エリアで「費用の明確さ」が最も重視されている結果となった。その中でも、都心部と西部では費用の安さの回答も次に高く、「コスト重視」の傾向が強いことがうかがえる。

一方で東部では、他地域と比較しコスト感を重視する方が少なく、立地やアクセス性の良さなど、居住地に近い会場を選びたい意向が強いと考えられる。

都心部では生前から多角的に葬儀の情報収集をする傾向

続いて「葬儀社の情報を収集する際に使用した媒体は何ですか?(複数回答可)」と質問した。

  • 葬儀社の情報を収集する際に使用した媒体は何ですか?(複数回答可)

全エリアで「葬儀社の公式ホームページ」が最も多く利用されている情報収集媒体であることが示された。

都心部では、他地域に比べて紹介された葬儀社にそのまま決定する割合が低く、8割が情報収集を経て葬儀社を選んでいることが特徴的。

また、前問で「過去利用者の評価・口コミ」を重視する回答が他地域の約2倍に達しており、多角的な情報を基に慎重に意思決定を行う傾向がうかがえる。そのため紹介だけでなく、比較サイトやSNSなどを活用し自ら情報を集めて最適な葬儀社を選ぶ姿勢が強いと考えられる。

また、「葬儀社の比較サイトやポータルサイト」の利用も一定の割合を占めており、特に都心部エリアと副都心エリアでその傾向が強くなっている。都心部がより情報収集を行うという傾向は、情報収集の開始時期の違いにも表れている。

「葬儀について調べ始めたタイミングと、葬儀社を決定したタイミングはいつですか?」と質問したところ、東京都心部エリア・副都心エリア・東部エリア・西部エリアで以下のような回答になった。

  • 葬葬儀について調べ始めたタイミングはいつですか?

  • 葬儀社を決定したタイミングはいつですか?

都心部では、約3割が高齢になった段階で既に葬儀についての情報収集を開始し、病気の発覚や入院したタイミングで半数以上は開始していることが明らかになった。葬儀社決定タイミングに関しても、危篤状態になった際にはすでに葬儀社が決まっている割合が6割もいるようだ。

故人が亡くなってから葬儀社を決定する方が6割以上となった他地域とは大きく差がみられた。西部の事前の情報収集割合は最も低く、副都心や東部では、情報収集を開始するタイミングとしては一定数早い方もみられるものの、実際の葬儀社決定においては、3地域とも変わらない結果となった。

前問で明らかになった、紹介の葬儀社に決める割合が高いこれらの地域では、情報収集や事前準備が十分にできない傾向があるのかもしれない。

葬儀を行った葬儀社の場所は?

  • 葬儀を行った葬儀社の場所を教えてください

「葬儀を行った葬儀社の場所を教えてください」と質問したところ、都心部の割合が最も低く、6割以下という結果になった。都心部に住んでいる人は、他地域での葬儀社に決めた方が比較的多いことが示された一方で、東部は最も高く8割以上の人が東部にて葬儀を行っていることが明らかになった。葬儀社選びにおいて立地やアクセスを重視する方が多い東部では、居住地での実施割合も多いようだ。

葬儀社選びの基準については明らかになったが、最終的に葬儀社の何を見て問い合わせ・依頼を決めたのだろうか。

  • 最終的に何を見て葬儀社に問合せや依頼を決めましたか?

「最終的に何を見て葬儀社に問合せや依頼を決めましたか?」と質問した。都心部と副都心では公式ホームページや比較サイトの情報が決定要因となっており、インターネット上の情報の充実が求められているようだ。一方で東部・西部では、紹介元や病院・施設からの資料を通じた決定が多く、知人や地域ネットワークからの情報提供が主となっていることが示唆された。

次に、「葬儀社を選んだ際の決め手はなんでしたか?(上位2つまで回答)」と質問した。

  • 葬儀社を選んだ際の決め手はなんでしたか?(上位2つまで回答)

全エリアで葬儀社選びの際に「費用の明確さ」が最重視されていたが、最終的な決め手においてもここは相違ないことが明らかになった。

一方で東部以外のエリアにおいて立地やアクセスが2番目に決め手となっており、重視する点では高くなかったものの、葬儀社の場所は葬儀を行う上で重要な決め手となりえることが示唆された。

さらに「費用の安さ」に関して、比較検討の際に重要視していた都心部や西部では決め手としては数字が低く推移しており、反対に東部では比較検討の際に上位になかったものの、決め手として費用安さの観点が大きくなっているようだ。

都心部では一般葬が家族葬を上回る結果に

  • 葬儀はどのような形式を選択しましたか?

「葬儀はどのような形式を選択しましたか?」と質問したところ、都心部では一般葬が最も多く、副都心・東部・西部では家族葬の割合が一般葬を上回る結果となった。家族葬の数字が高い背景には近年の小規模化・簡素化の傾向が顕著に表れている。これは一日葬が、副都心以外のエリアで1割以上を占めていることからも読み取れる。都心部の居住者は特に他の地域と比較して所得が高い傾向にあり、参列者が多い一般葬が行われる傾向にあることがうかがえる。