日本地図を俯瞰してみると日本の中心あたりに位置する岐阜県関市(せきし)は、名古屋から北に約35km、直通便の高速バスも出ており、名古屋まで1時間20分で訪れることができます。
刃物製品出荷額が全国一位の「日本一の刃物のまち」、また世界三大刃物産地の一つ(イギリスのシェフィールド、ドイツのゾーリンゲン、関市)で、約700年以上前に関の地が日本刀の産地として隆盛を極めたことに始まり、刀鍛冶の技術が刃物作りに受け継がれています。
まちには、古式ゆかしき「日本刀鍛錬」の実演がみられる「関鍛冶伝承館」など、刃物の歴史に触れられる施設や、2,000点以上の刃物を見て購入することができる「岐阜関刃物会館」などがあるほか、約300もの刃物関連の事業所があり、多くの事業者が専門分野を分業することで、質の高い刃物を生産する体制を築いています。
今回紹介するのは、そんな関市へふるさと納税返礼品を提供している明治6年創業の老舗刃物メーカー「三星(みつぼし)刃物株式会社」。「本当に良いものを。ずっとつき合えるものを」というコンセプトをつきつめたブランド包丁「和 NAGOMI」など、さまざまな刃物を製造しています。一体どのような事業者なのでしょうか。
本稿では、マイナビふるさと納税担当者が、気になった事業者とふるさと納税返礼品を紹介していきます。
今回は「三星刃物株式会社」の詳細と、提供している返礼品などについて調べてみました!
関市の返礼品提供事業者「三星刃物」について
・事業者名:三星刃物株式会社
・所在地:岐阜県関市下有知5178
・創業年:明治6年(1873年)
・事業内容:家庭用、プロ用、携帯用などの各種包丁/ナイフ類、家庭用品、金属金物、洋食器類の国内外での製造、輸出入の総合メーカー
刃物製造をメインに、金属金物や洋食器類なども製造している「三星刃物株式会社」。2022年にアウトドアブランド「MITSUBOSHI Outdoors」を立ち上げ、実用性が高く美しいナイフを製造しています。
アメリカ最大の高品質マルチパーパスツール・ブランド「LEATHERMAN(レザーマン)」の初期のモデルを製造し、世界100カ国以上に愛されるブランドの礎を築きました。
2005年には、西オーストラリア州自然環境保護局からの依頼で、海水に長期間さらされても錆びない、特殊金属を使った鯨救出用ナイフを関の他メーカーと共に開発しました。
ふるさと納税の返礼品にも登録されている「和 NAGOMI」は、2015年に販売開始。たたずまいの美しさ、使いやすさ、長く使える切れ味などが称賛を浴び、メディアなどにも取り上げられるほど話題になったそうです。シリーズ累計販売本数は、なんと10万本!
そんな噂を聞きつけた関市のふるさと納税担当者は「日本一の刃物まちをPRするためにピッタリ! 」だと考え、返礼品への登録を打診。2016年から提供を開始しました。
「ずっとつき合える包丁を提供したい」という想いから、日々のメンテナンス(研ぎ)が新聞紙で簡単にできるように設計されているだけでなく、無料研ぎ直し券もついており、利用者に寄り添った製品となっています。
三星刃物株式会社が提供する返礼品について
「和 NAGOMI」の三徳包丁、ペティナイフを紹介します。どちらも関市の中で人気の返礼品なのだそう。
和 NAGOMI 三徳包丁
・内容量:三徳包丁×1
・寄附金額:3万2,000円
・返礼品登録された時期:2016年
ミシュランの星を持つプロたちも愛用する三徳包丁です。毎日の料理のしやすさにこだわり抜き、「ずっとつき合える」包丁を開発。さびにくく刃こぼれもしにくい鋼材を使用し、簡単なお手入れで切れ味が長く続きます。研ぎ直し券付き! ロゴ入りの上質な黒の化粧箱入りなので、贈答用にもおすすめとのこと。
和 NAGOMI ペティナイフ
・内容量:ペティナイフ×1
・寄附金額:2万7,000円
通常のペティナイフよりも少し大きめの「和 NAGOMI」のペティナイフです。さまざまな料理に使えるユーティリティ・ナイフとして活躍! 手早く済ませたい“ちょっとした料理”をする際にも便利です。小回りが利くので、皮むきや飾り切りなどにも重宝する逸品。
返礼品についての事業者の想い
世界に冠たる奇跡の刃物のまち・関市の地で150余年の歴史を持つ刃物メーカー、三星刃物。創業後、OEM事業を中心に進めてきた三星刃物が初の自社ブランド「和 NAGOMI」を開発したきっかけは、社長の妻の「どうして老舗刃物メーカーなのに自社ブランドがないの? 」という一言でした。
商品化に至らず山のように残ったサンプルから、社長の妻が「このデザインが好き」と取り上げた1本のステーキナイフが「和 NAGOMI」の原型となりました。「これを自社ブランドにできるんじゃないか」と、これまで培われた技術と品質の集大成として、何よりも自分たち自身が本当に納得できる、初めての自社ブランドを作ることを決意。刀鍛冶の曾祖父から数えて5代目となる渡邉社長。自らパン教室を主催する愛妻との二人三脚での新しい挑戦が始まりました。
社内にはデザインの専門家もマーケティングの専門家もいなかったため、簡単には進みませんでしたが、3年の歳月をかけて自社ブランド「和NAGOMI包丁」を開発。平成28年から関市返礼品に加わりました。
「ずっとつき合える包丁」は「手に馴染み、切れ味長く、手入れが簡単」なことが大切です。「新聞で数回研げば切れ味が良くなる」、さらに「無料の研ぎ直し券」付き。そのこだわりが伝わり、研ぎ直し依頼者から「和 NAGOMI」包丁の使い心地の良さについて「さすが関の包丁」と、賛辞の手紙を多く寄せていただけます。
本当に良いものを作り届けることで、寄附者様と私たち事業者もずっとつき合うことができ、地域産業のブランド向上にも貢献できることは我々の誇り。これからも、日本一の刃物のまち関から「一生つき合いたいと思ってもらえる本当に良いもの」を発信し続けます。
自治体からのメッセージ
三星刃物さんは高品質でデザイン性が高い返礼品を数多く出品しており、申し込まれた方から「料理が楽しくなった」「切れ味に驚いた」「大変美しい品」と高評価のお声をいただいております。和 NAGOMIシリーズは三徳包丁の他にペティナイフ、牛刀、パン切りナイフ、チーズナイフなどのラインナップがありますので、みなさんの目的に合う包丁を見つけて、「切る」ことの楽しさを感じて欲しいと思います。
今回は岐阜県関市の返礼品提供事業者「三星包丁株式会社」と、返礼品を紹介しました。日本一の包丁のまちならではのブランド「和 NAGOMI」。切れ味や耐久性はもちろんのこと、お手入れも簡単にでき、さらに「研ぎ直し券」も付いています。永く愛用できる刃物が返礼品としてもらえるのは、うれしいですね。三徳包丁とペティナイフがセットになった返礼品も用意されています。ぜひ一度チェックしてみてください。