JR東日本盛岡支社は、2025年3月15日のダイヤ改正で大船渡線(一ノ関~気仙沼間)の輸送体系を見直すとともに、使用車両をキハ100系からキハ110系に置き換えると発表した。夜間の上下各1本を運転取りやめとし、運転本数を下り8本・上り9本(うち1本は千厩発一ノ関行)に減便する。
大船渡線は一ノ関駅~盛間を結び、以前は快速列車も運転された路線だが、2011年の東日本大震災で被災し、2013年に気仙沼~盛間がBRTで復旧した。一ノ関~気仙沼間は普通列車のみの運転(臨時列車は除く)となり、現在は下り9本・上り10本(うち1本は千厩発一ノ関行)を設定。車両はキハ100系を使用している。定期列車とは別に、キハ100系を改造した「POKEMON with YOU トレイン」による快速「ポケモントレイン気仙沼号」が土休日を中心に運転される。
JR東日本は今年7月、キハ100系3両(キハ100-39・キハ100-40・キハ100-41)をひたちなか海浜鉄道へ譲渡すると発表。今年11月には、高崎エリアの八高線(高麗川~高崎間)、盛岡エリアの東北本線・釜石線(盛岡~花巻~釜石間)に新型車両HB-E220系を投入すると発表しており、これらの路線で現在活躍しているキハ100系・キハ110系の動向も注目されている。キハ100系・キハ110系はともにローカル線のサービス改善を図るため開発され、1990年以降にJR東日本の各エリアで投入された気動車。外観はほぼ同じだが、キハ100系は1両あたり全長16.5mに対し、キハ110系は1両あたり全長20.0~20.5m(製造時期により全長が異なる)などの違いがある。
2025年3月のダイヤ改正を機に、大船渡線一ノ関~気仙沼間の使用車両をキハ100系より全長の長いキハ110系へ置き換える。2025年1月中旬頃から大船渡線の一部列車で営業運転を開始し、ダイヤ改正に合わせて全列車をキハ110系で運転するという。
利用状況に合わせた輸送体系の見直しも行われ、現行の最終列車である気仙沼駅19時35分発・一ノ関駅20時59分着の上り普通列車、一ノ関駅21時15分発・気仙沼駅22時35分着の下り普通列車を運転取りやめに。これにともない、上りは気仙沼駅を16時台以降に発車する普通列車2本で30~60分以上の繰下げを予定。ダイヤ改正後の最終列車は気仙沼駅19時2分発・一ノ関駅20時26分着(現行の最終列車より33分繰上げ)となる。下りは一ノ関駅を14~16時台に発車する普通列車で20分以上、17時台以降に発車する普通列車2本で40~60分程度の繰下げを予定。ダイヤ改正後の最終列車は一ノ関駅20時35分発・気仙沼駅21時58分着(現行の最終列車より約40分繰上げ)となる。
始発列車は下り・上りともに時刻を繰り上げる(始発駅のみ)。ダイヤ改正後の下り始発列車は一ノ関駅5時41分発(現行より18分繰上げ)・気仙沼駅7時24分着、上り始発列車は千厩駅5時41分発(現行より2分繰上げ)・一ノ関駅6時36分着、気仙沼駅5時53分発(現行より8分繰上げ)・一ノ関駅7時32分着に。上りは後続の列車も時刻を繰り上げ、朝の6・7時台に気仙沼駅を発車する普通列車を1本ずつ設定(気仙沼駅6時24分発・7時39分発)する。一方で、気仙沼駅9時54分発から同駅12時15分発まで、日中時間帯に列車が2時間以上発車しない時間帯がある。