◆ 盤石リリーフ陣には前中日R.マルティネスが加入
巨人から海外FA権を行使し、メジャー挑戦を模索していた菅野智之投手(35)がオリオールズと年俸1300万ドル(約20億円)の1年契約で合意。今季15勝3敗、防御率1.67でセ・リーグMVPに選出されたベテラン右腕の挑戦に注目が集まる。一方、リーグ連覇を目指す巨人にとってMVP右腕の退団は痛手。その穴埋め役のひとりとして期待されるのが、来シーズン2年目を迎える西舘勇陽投手(22)だ。
西舘は花巻東高、中央大を経て、2023年のドラフト1位で巨人入り。高い奪三振能力と超速クイックを武器に“7回の男”として開幕一軍入りを果たし、新人タイ記録となる開幕10試合連続ホールドをマークした。
その後、調子を落としファーム調整が続いたものの、ルーキーイヤーは28試合(1先発)に登板し1勝3敗、20ホールド1セーブ、防御率3.82を記録。“20ホールド5人衆”の一角としてブルペンを支え、チームのリーグ優勝に貢献した。
ファームでは先発調整を進めており、10試合(9先発)に登板し1勝0敗、防御率1.40を記録。一軍でも8月23日の中日戦(東京ドーム)でプロ初先発を果たし、5回6安打4失点で黒星を喫したものの貴重な経験を積んだ。
2年目の目標に「開幕ローテ入り」と「1年間ローテーション」を掲げており、今オフはプエルトリコのウインターリーグで研鑽を摘んでいる。
MVP右腕が抜ける巨人だが、今季ともに2ケタ勝利を挙げた戸郷翔征と山﨑伊織、そして来日3年目を迎えるフォスター・グリフィンら今季の主戦投手は健在。さらに、井上温大ら若い世代も育っており、ともにトミー・ジョン手術からの完全復活を目指す堀田賢慎と伊藤優輔も、来季は先発で勝負する意向を示している。
また今月16日には、今季まで中日の守護神を務めていたライデル・マルティネスの獲得を正式発表。今季リーグトップの救援防御率2.27を誇ったリリーフ陣がさらに厚みを増すことで、今後さらに新たな配置転換案が浮上しそうだ。