ドイツのみならず世界のサッカー界に多大な影響を与えた「皇帝」ベッケンバウアー氏 [写真]=Getty Images

 現地時間20日、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)は2025-26シーズンからDFLスーパーカップの名称に故フランツ・ベッケンバウアー氏の名前を冠することを公式サイト上で発表した。

 現役時代には攻撃に参加するスイーパーを指す“リベロ”として、バイエルンと西ドイツ代表(当時)で絶大な存在感を放ったベッケンバウアー氏。優美かつ威厳あるプレーぶりから「皇帝」の愛称でも親しまれた。現役引退後は指導者に転身。1990 FIFAワールドカップでは西ドイツ代表を率い、決勝でディエゴ・マラドーナ氏を擁するアルゼンチン代表を1-0で下して3回目のワールドカップ制覇を成し遂げた。なお、選手時代に1974 FIFAワールドカップを制覇していたため、ベッケンバウアー氏は選手および監督してワールドカップ制覇を経験することになった。

 今年1月7日、ベッケンバウアー氏はオーストリア・ザルツブルグで家族に看取られながら死去。享年78歳だった。今月8日には、バイエルンがベッケンバウアー氏の代名詞とも言える背番号「5」を永久欠番にすると発表している。

 今回、DFLスーパーカップの名称変更を決めたDFLは声明の中で「2025-26シーズンから、スーパーカップには史上最も偉大なドイツのサッカー選手、フランツ・ベッケンバウアーに敬意を表した名前が付けられる」と発表。ブンデスリーガ優勝クラブとDFBポカール優勝クラブがシーズン開幕前に激突する同大会の名称が『フランツ・ベッケンバウアー・スーパーカップ』になることを公表した。

 また、DFLの公式サイトは関係者のコメントも多数掲載。ベッケンバウアー氏の妻であるハイジ・ベッケンバウアー氏は「フランツはリーグ戦王者とカップ戦王者の試合に自分の名前が付けられることを望んでいる」とコメント。ドイツサッカー連盟(DFB)のベルント・ノイエンドルフ会長は「フランツ・ベッケンバウアーの功績と生涯の仕事を称え、評価することは私個人にとってもDFBにとっても重要である。彼のフットボールに対する貢献は比類のないものであり、忘れられないもの。スーパーカップの名前を変更することで、私たちはフランツ・ベッケンバウアーとサッカー全体の間に目に見えるつながりを生み出している」と語り、「名称変更を可能にしてくれたベッケンバウアー家とDFLに感謝します」と謝意を示した。

 2025-26シーズンの『フランツ・ベッケンバウアー・スーパーカップ』は、現地時間2025年8月16日に開催される。