今季セ・リーグの最多登板が70試合の桐敷拓馬(阪神)、パ・リーグが則本昂大(楽天)の54試合だった。
近年は“勝利の方程式”も複数のパターンを作ったり、3連投をさせなかったり、1週間に4登板以上させないなど、“登板管理”する球団が増えた。今季は60登板以上した選手がセ・リーグが6人いたのに対し、パ・リーグは1人もいなかった。今から10年前の2014年は60試合以上した登板した投手がセ・リーグに9人、パ・リーグに10人、合計19人だったことを考えると、リリーフ陣の登板管理が顕著に現れている。
『各球団最後の○○』は2016年版ではなかった、各球団最後の60試合登板を見ていきたい。投手が打席に立つセ・リーグは投手に打順が巡ってきたところで代打を出すケースが多く、リリーフ陣の登板機会が必然的に多くなる。巨人以外の5球団は直近3年で60試合登板以上した投手がいた。巨人はというと、原辰徳氏が監督時代はリリーフ陣をかなり継ぎ込んでいた印象を受けるが、最後の60試合登板以上は意外にも2019年に67試合に登板した中川皓太。20年以降は誰も60試合以上登板したリリーフはいない。
一方、パ・リーグは昨季も60試合以上登板した投手が鈴木翔天(楽天)のみと近年、リリーフ陣の登板管理をしっかりする球団が増えた関係もあってか、西武が22年、ロッテと日本ハムが21年、ソフトバンクは19年が最後に60試合以上登板したリリーフはいない。
オリックスに至っては18年に増井浩俊が63試合投げたのを最後に、2019年以降は60試合以上投げたリリーフがいない。リーグ3連覇した21年〜23年のチーム最多登板を見ても、21年が富山凌雅の51試合、22年が平野佳寿の48試合、23年が山﨑颯一郎の53試合登板だった。優勝争いをしていると、勝ちパターンのリリーフ陣の登板数が増える傾向にあるが、オリックスは最後まで無理をさせなかった。
リリーフ陣の運用が変わってきている中で、来季は60試合登板以上投げる投手は何人出てくるだろうかーー。
◆ 各球団最後の60試合登板以上
▼ 巨人
67試合 中川皓太(2019年)
▼ 阪神
70試合 桐敷拓馬(2024年)
60試合 岩崎 優(2024年)
▼ DeNA
61試合 ウェンデルケン(2023年)
▼ 広島
60試合 栗林良吏(2024年)
▼ ヤクルト
60試合 大西広樹(2024年)
▼ 中日
60試合 清水達也、マルティネス(2024年)
▼ ソフトバンク
65試合 甲斐野央(2019年)
▼ 日本ハム
60試合 堀瑞輝(2021年)
▼ ロッテ
67試合 益田直也(2021年)
▼ 楽天
61試合 鈴木翔天(2023年)
▼ オリックス
63試合 増井浩俊(2018年)
▼ 西武
61試合 平良海馬(2022年)
60試合 水上由伸(2022年)