野岩鉄道は20日、ダイヤ改正を2025年3月15日に実施すると発表した。相互直通運転を実施している東武鉄道と会津鉄道のダイヤ改正に合わせ、上下各2本の普通列車を会津田島駅(会津鉄道)発着で運転する。鬼怒川温泉駅で東武鉄道の特急列車との乗換え時間も短縮するとのこと。
新藤原駅で東武鉄道、会津高原尾瀬口駅で会津鉄道と接続する野岩鉄道は、両社と相互直通運転を実施してきた。現在も東武鉄道の車両を使用する特急「リバティ会津」(浅草~会津田島間)、会津鉄道の車両を使用する快速「AIZUマウントエクスプレス」(鬼怒川温泉~会津若松間)が野岩鉄道へ乗り入れる。普通列車も2022年3月のダイヤ改正まで、会津鉄道へ直通する会津田島駅発着の列車や、東武鉄道の下今市・東武日光方面へ直通する列車が設定されていた。
しかし2022年3月のダイヤ改正で、利用状況等を勘案し、野岩鉄道の普通列車を上下各5本に減便した。ほとんどの列車を自社線内(新藤原~会津高原尾瀬口間)の運転とし、他社線へ直通する列車は鬼怒川温泉駅発着の上下各1本のみに。会津鉄道の電化区間である会津田島~会津高原尾瀬口間の普通列車も同社の気動車による運転となった。2025年3月のダイヤ改正で、3年ぶりに野岩鉄道から会津鉄道へ直通する普通列車が設定されることになる。
新たに会津田島駅発着となる普通列車(上下各2本)に関して、午前の下り1本と午後の上り1本は新藤原~会津田島間(ダイヤ改正後、下りは新藤原駅8時10分発・会津田島駅9時2分着、上りは会津田島駅15時42分発・新藤原駅16時34分着で運転)、午前の上り1本と午後の下り1本は鬼怒川温泉~会津田島間(ダイヤ改正後、上りは会津田島駅9時8分発・鬼怒川温泉駅10時22分着、下りは鬼怒川温泉駅14時35分発・会津田島駅15時36分着で運転)で運転される。
午前に会津田島発鬼怒川温泉行として運転する上り普通列車は、運転区間の延長にともない会津田島駅で会津鉄道の普通列車(会津若松駅7時51分発)から乗換え可能。鬼怒川温泉駅の到着時刻も現行の10時45分から10時22分に変更(23分繰上げ)され、同駅を10時25分に発車する東武鉄道の特急列車へ乗り換えられる。午後に鬼怒川温泉発会津田島行として運転する下り普通列車も、引き続き鬼怒川温泉駅で東武鉄道の特急列車から乗換え可能。運転区間の延長にともない、会津田島駅で会津鉄道の普通列車(会津田島駅15時42分発の会津若松行。土休日運休)へ乗り換えられる。
新たに会津田島駅発着となる普通列車以外の運転時刻等は改めて発表予定とのこと。なお、野岩鉄道代表取締役社長の二瓶正浩氏は、自身のX(Twitter)で、今年度の輸送実績を「人員では前年比増になっているものの、収入では前年割れ」と説明。社内で反転攻勢策を議論した際、ある社員から「鉄道会社の売りはダイヤです」と進言があったことを明らかにしている。