米OpenAIは12月19日(現地時間)、「12 Days of OpenAI」の11日目に、Mac用デスクトップアプリのアップデートをリリースした。「アプリとの連携」(ベータ)機能が強化され、Appleの「メモ」、Notion、Quip、Warpでも利用できるようになった。また、「高度な音声モード」を使いながらのアプリ連携作業が可能になった。
「アプリとの連携」は11月にMac用のデスクトップアプリに導入された機能であり、これまではVS CodeやXcodeなどのコーディングアプリと、TerminalやiTerm2といったターミナルアプリで利用可能だった。この機能は、macOSのアクセシビリティAPIに基づくスクリーンリーダーを活用して、対応アプリの内容をChatGPTが直接読み取るものである。これにより、コードやデータをコピー&ペーストする手間を省き、作業中の内容に関する質問やリクエストを直接ChatGPTに行える。
今回のアップデートで対応アプリは以下のように拡充された。コーディングアプリとターミナルアプリが増え、さらにノート・アプリでも利用できるようになった。
- ノート・メモ:Apple「メモ」、Notion、Quip
- 統合開発環境(IDE):Xcode、VS Code、Jetbrains
- エディタ:TextEdit
- ターミナル:Warp、Terminal、iTerm、Prompt
ノート・メモアプリの追加により、コーディング以外でも「アプリとの連携」を活用できるようになった。たとえば「サンフランシスコの歴史を知るウォーキングツアー」を計画し、Notionを使って資料をまとめている際に、ChatGPTと接続させる。情報が不足している部分をハイライトし、「トーキングポイントをまとめて」と依頼すると、その部分について検索し、必要な情報をまとめてくれる。資料の内容をコピーしてChatGPTにペーストしたり、ファイル化してアップロードする必要はない。この「アプリとの連携」に、音声によるリアルタイムのインタラクションが可能な「高度な音声モード」を組み合わせると、さらに効率的な作業が可能となる。
OpenAIの製品担当責任者であるケビン・ワイル氏は、12 Days of OpenAIの配信で「OpenAIのモデルが進化するほど、ChatGPTはよりエージェント的な役割を果たすようになる」と述べた。単なる質問応答に留まらず、ユーザーの作業を積極的に支援する存在へと進化する中で、「ブラウザタブでは実現できない多くの可能性を提供するデスクトップアプリが重要な役割を果たす」とし、今後もデスクトップアプリの強化を続ける方針を示した。