3年連続最下位の中日。守護神のライデル・マルティネスが巨人へ移籍したが、リリーフ陣は最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した松山晋也、今季チーム最多の60試合に登板した清水達也、左の齋藤綱記、さまざまなシチュエーションで投げることのできる藤嶋健人、その他にも橋本侑樹、勝野昌慶、祖父江大輔と人材は豊富。
一方で、先発陣が手薄だ。今季チーム最多の144回1/3を投げ、4年連続規定投球回に到達している小笠原慎之介がポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を目指しており、仮に小笠原が抜けた場合、計算の立つ先発投手が髙橋宏斗しかいなくなる。
柳裕也、涌井秀章、大野雄大、松葉貴大といった実績組もいるが、柳は昨季24試合・158回1/3を投げ、援護に恵まれず防御率2.44も4勝11敗と大きく負け越し、今季は13試合・67イニングを投げて4勝5敗、防御率3.76。涌井は今季16試合・85イニングを投げ、3勝5敗、防御率3.07、大野は9試合・44回1/3を投げて2勝6敗、防御率4.87、松葉は17試合・93回1/3を投げ、5勝6敗、防御率3.09だった。
柳が昨季までのような働きができれば、髙橋と共にローテーションの軸として投げてくれそうだが、ベテランの涌井、大野、松葉は間隔を空けながら投げ、結果を残していくのが現実的か。
ドラフトで支配下で6人中4人投手を指名したが、1年目から即戦力の期待を求めるのはかなり酷。そうなると、現有戦力の底上げ、若手、中堅の突き上げは必至だ。今季14試合・77回1/3を投げ、2勝8敗と黒星が先行し、防御率4.07だった梅津晃大には1本立ちが求められ、今季ファームで10勝・防御率1.76と好成績を残し一軍でもプロ初勝利を含む2勝を挙げた松木平優太が先発ローテーションに入ってくるような働きが求められる。
実績のあるベテランと期待の若手中堅がいるが、シーズン通して計算のできる軸となる投手が、小笠原がメジャー移籍した場合、高橋しかいないのが実情。先発陣の立て直しは急務である。