3得点を挙げたガブリエウ・ジェズス [写真]=Getty Images

 カラバオ・カップ準々決勝が18日に行われ、アーセナルとクリスタル・パレスが対戦した。

 プレストンとの4回戦を3-0で勝利し、3大会ぶりにベスト8へと駒を進めたアーセナル。リーグ戦でも現在3位につけるなど今季も好調な戦いを見せる同クラブは、直近の公式戦8試合無敗で今回の準々決勝を迎えた。対するは、アストン・ヴィラとの“プレミア対決”を制して勝ち抜きを決めたクリスタル・パレス。こちらも直近は好調をキープしており、5試合負けなしでベスト4進出をかけた一戦に臨む。なお、アーセナルに所属するDF冨安健洋は負傷中のためメンバー外。クリスタル・パレスに所属するMF鎌田大地はサブスタートとなった。

 試合は、開始早々の4分にクリスタル・パレスがスコアを動かす。最終ラインでパスを繋ぎ、GKディーン・ヘンダーソンが最前線に大きくフィード。ヤクブ・キヴィオルと競り合ったジャン・フィリップ・マテタが体を入れ替え、ボックス内に侵入する。キヴィオルも激しく体を寄せてブロックを試みるが、マテタが右腕一本で抑え込みながら左足でシュート。確実にゴールへ流し込んでクリスタル・パレスが先制した。

 一方のアーセナルも、30分にペナルティエリア左角でガブリエウ・ジェズスが倒されフリーキックを獲得。キッカーを務めたラヒーム・スターリングが右足で直接狙い、強烈なシュートが枠の左上を捉える。しかし、抜群の反応を見せたGKディーン・ヘンダーソンが右手でセーブ。惜しくも得点には至らなかった。

 以降もアーセナルが支配率を高めてクリスタル・パレスを押し込むが、目立った決定機を作れないまま勝負はハーフタイムに突入する。

 ミケル・アルテタ監督は、後半頭からマルティン・ウーデゴールを投入。すると、アーセナルの攻撃にリズムが生まれ始め、51分にはジェズスが決定機を迎える。DFラインでのポゼッションから相手のプレスを打開し、レアンドロ・トロサールがボールを引き出して左に展開。キーラン・ティアニーがドリブルで運びながらアーリークロスを送ると、大外でフリーになっていたジェズスがダイレクトで合わせる。GKに弾かれたセカンドボールを自身で詰めるが、決め切ることができずに2度のチャンスを仕留められない。

 それでも直後の54分、アーセナルが試合を振り出しに戻す。ウーデゴールがハーフライン右付近へと降りながらポゼッションに参加。味方とパスを交換しながら前線をうかがう。左足に持ち替えながらマーカーのタイミングを外すと、ブロックの間を通す縦パスをジェズスに差し込む。ファーストタッチで相手を突破し、飛び出してきたGKを嘲笑うかのようなチップキックを披露。ボールはゴールに吸い込まれ、アーセナルが同点弾を挙げた。59分にはクリスタル・パレスが2枚替えを実施。鎌田がピッチに送られ、2シャドーの一角に配置された。

 勢いを強めるアーセナルは、73分にウーデゴールが右サイドで華麗なダブルタッチを披露。ワイドに張った味方に繋ぎ、ワンタッチで中央のブカヨ・サカへとボールが渡る。ターンで前を向きながら流れるようにスルーパスを出すと、ボックス内に抜け出したジェズスが角度の小さい位置で右足を振り抜く。豪快にネットを揺らして逆転弾をマークした。

 81分にはアーセナルのカウンターが炸裂。得点を奪うべくクリスタル・パレスが前がかりになると、ボールを奪った流れからウーデゴールがスルーパスを供給。高い位置に残っていたジェズスが完全にフリーで抜け出し、GKとの1対1を制してハットトリックを達成した。その後、クリスタル・パレスは85分にエディ・エンケティアが古巣相手にゴールを記録。しかし、そのまま試合は3-2で終了し、アーセナルがベスト4進出を決めた。カラバオ・カップ準決勝ファーストレグは来年1月5日に行われる。

【スコア】
アーセナル 3-2 クリスタル・パレス

【得点者】
0-1 4分 ジャン・フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス)
1-1 54分 ガブリエウ・ジェズス(アーセナル)
2-1 73分 ガブリエウ・ジェズス(アーセナル)
3-1 81分 ガブリエウ・ジェズス(アーセナル)
3-2 85分 エディ・エンケティア(クリスタル・パレス)