野村アセットマネジメントは12月18日、同社資産運用研究所が実施した「確定拠出年金に関する意識調査2024」を公表した。調査は2024年11月1日~5日、20歳~69歳の9,053名を対象にインターネットで行われた。

「老後資金に不安」は7割超

老後は自身の資産と年金でそれなりに生活できると思う人は35%であり、老後の生活資金に不安がある人は7割を超えた。

老後の生活資金のために預貯金をしている人は62%である一方、投資(資産運用)をしている人は34%にとどまる。

  • 老後資金、投資(資産運用)に関する以下の項目について、あなたはどの程度そう思いますか(単一回答 全体n=9,053)

iDeCoの利用理由

「iDeCo」加入者に、利用理由を尋ねた。「税制優遇があるから」が57%と最も多く、「余裕資金を運用して将来に備えたいから」が36%と続いた。

20代は「低コストで運用できるから」が最も多く、「税制優遇があるから」を理由とする人は他の年代と比べ相対的に少ない。

  • あなたが、以下の税制優遇制度を利用している理由として、あてはまるものをすべてお答えください:iDeCo(複数回答 iDeCo加入者n=3,479)

iDeCoの非利用理由

iDeCoを利用しない理由としては、「制度のことがよくわからないから」が22%と最も多く、「お金に余裕がないから」「運用して損をしたくないから」が続く。

  • あなたが、以下の税制優遇制度を利用していない理由として、あてはまるものをすべてお答えください:iDeCo(複数回答 iDeCo未加入者n=5,574)

制度の認知・理解度

「企業型DC」加入者で制度について理解している人は67%、理解が不十分なままに利用している人も33%いた。

iDeCo加入者で制度について理解している人は84%、未加入者で理解していない人は8割を超えた。

  • 以下の投資(資産運用)に関する税制優遇制度について、あなたはどの程度ご存じですか(単一回答 全体n=9,053)

確定拠出年金制度において認知されている項目

確定拠出年金制度(企業型DC・iDeCo)に関して、「知っていること」を尋ねた。

DC加入者、未加入者ともに「60歳まで原則引き出せないこと」が最も多く、「運用益が非課税になること」が続いた。税制優遇関連では、「運用益が非課税になること」「掛金に応じて所得税・住民税が控除されること」が比較的認知されている。

  • 確定拠出年金制度(企業型DC・iDeCo)に関して、あなたが「知っていること」としてあてはまるものをすべてお答えください(複数回答 全体n=9,053)

元本確保型商品を保有している理由

元本確保型商品(保険・定期預金)の保有者に、「保有している理由」を尋ねた。「リスク資産を持ちたくないから」が5割を超え、「一時的な待機資産として活用しているから」が約3割と続いた。「何を買うのが良いかわからないから」も28%と多い。

  • あなたが元本確保型商品(保険・定期預金)を保有している理由としてあてはまるものをすべてお答えください(複数回答 元本確保型保有者n=1,712)

企業型DCにおける投資教育の受講経験

企業型DCに関して、投資教育(事業主が加入者に運用等に関する情報を提供すること)を勤務先などで受けたことがあるか尋ねたところ、「受けた」と回答した人は50%だった。

過去3年以内に継続投資教育を受けたと回答した人は約2割にとどまった。

受講の方法は、加入時では「対面での説明」が多く、過去3年以内では「オンラインでの説明」「動画の視聴」が多かった。

  • あなたは、企業型DCに関して、勤務先などで投資教育を受けたことはありますか/企業型DCの加入時、過去1年未満、過去1-3年の間のそれぞれの投資教育における受講方法についてあてはまるものをすべてお答えください

企業型DCにおける継続投資教育の受講意向

企業型DCに関して、勤務先などで投資教育を受けたい人は46%。年代別では30代が56%と他の年代に比べ割合が高かった。

希望する継続投資教育の受講方法は「動画の視聴」、「オンラインでの説明」が多く、次いで「対面での説明」が続く。

  • あなたは、企業型DCに関して、勤務先などで投資教育を受けたいですか/今後投資教育をどのような方法で受講したいですか