リライフテクノロジーは2024年12月17日、「年末年始の義実家問題と夫婦関係への影響」について調査の結果を発表した。同調査は2024年12月4日、20~50代の既婚者400名を対象にインターネットで実施した。
まず初めに、年末年始の過ごし方について年代別に聞いてみたところ、世代による違いが明らかになった。(単一回答)
20-30代は約半数が実家や義実家への訪問を予定している一方、年齢が上がるにつれて「自宅で過ごす」が増加し、50代では半数以上を占めている。この背景には、親世代の高齢化や自身の子どもの独立などのライフステージの変化が影響していると考えられる。
続いて、「義実家との関係性」(単一回答)について尋ねた。年代別に大きな差は見られず、「とても良好」「良好」を合わせると約47%と半数近くが良好な関係を保っている。一方で4人に1人は義実家との関係に課題を抱えているという実態が明らかになった。
また、上記の回答理由についても聞いた。良好な関係を保っていると答えた人のコメントは以下の通り。
「お義父さんお義母さんともに優しく気さくな方のため」(20代女性)
「いつも義実家で歓迎してくれし、一緒にいると楽しいので」(40代女性)
適度な距離感を保つ工夫をしていると答えた人のコメントは以下の通り。
「近所に住んでいるが、イベント時に食事に行くくらいなため」(20代女性)
「つかず離れずの距離感を保っているから」(40代女性)
関係性が良好でないと答えた人のコメントは以下の通り。
「気も話も合わないし、高圧的で自分の考えばかり押し付けてくる」(50代女性)
「非常識な振る舞いの数々で夫が縁を切ると決めたから」(30代女性)
また、義実家との関係性は年末年始の過ごし方にも影響を与えているようだ。「義実家との関係性」と「年末年始の予定」を組み合わせると、以下の結果が得られた。
「とても良好な関係を保っている」と回答した人は約4割が義実家訪問を予定している一方、「関わりたくない」「関わりがない」と回答した人は、義実家訪問はほとんど見られず、自宅で過ごす割合が4~5割と最も高くなっている。
また、関係が良好でない層ほど「まだ決めていない」という回答が多く(約2~3割)、年末年始の予定決めに苦慮している様子がうかがえる。
また、「義実家訪問について、ストレスに感じること」(複数回答可)について聞いたところ、以下の回答が得られた。
全体の41%が「ストレスに感じることはない」と回答しているが、義実家訪問時のストレス要因では、「義両親との会話や価値観の違い」(24%)が最も高く、次いで「滞在中の生活習慣の違い」(18%)が続く。これらの傾向は20代から50代まで世代による大きな差異が見られず、義実家訪問における普遍的な課題であることが分かる。
また、「義実家との付き合いにおいて経験したこと」(複数回答可)について尋ねたところ、4割の人が以下のような経験をしたことがあると回答した。
この結果から、多くの人が良好な関係を保てている一方で、深刻な悩みを抱えているケースも少なからず存在することが明らかになった。
続いて、「義実家との関係改善のために効果があった取り組み」(複数回答可)について教えてもらったところ、以下の回答が得られた。
パートナーを介した取り組み(事前の話し合いやスケジュール調整)が最も効果的という結果が出る一方で、半数以上が関係改善に至っていない現状も明らかになった。また、カウンセラーなど第三者を介したコミュニケーションは、まだ一般的な選択肢として定着していないことが分かる。
「義実家への不満やトラブルについて最も相談しやすい相手」(単一回答)についても聞いた。
義実家の不満やトラブルについて、パートナーに相談するケースが最も多く、全体の4割以上を占めている。これは、義実家問題が夫婦間のコミュニケーションの重要なテーマとなっていることを示している。
一方で、「誰にも相談したくない」という回答が3割を占めており、義実家に関する悩みを抱え込んでいる人が相当数存在することが分かる。
また、自分の親(12.75%)や友人(9%)への相談は比較的少なく、カウンセラーなどの専門家への相談(1%)はさらに限定的。これは、義実家問題が非常にデリケートな問題であり、広く相談しづらい性質を持っていることを示しているのかもしれない。
さらに、「義実家について最も相談しやすい相手」は「配偶者との関係性」にも大きくかかわっているという結果も得られた。
夫婦関係が良好な夫婦ほどパートナーへの相談割合が高く(約60%)、関係に課題を抱えるほどその割合は低下(約30%)する。
また、夫婦関係の悪化に伴い「誰にも相談したくない」という回答も増加することから、夫婦関係の良好さが義実家問題の解決に大きく影響していることが読み取れる。
続いて、「夫婦関係に義実家がどれくらい影響しているか」と「配偶者との関係性」をクロス集計したところ、以下の結果となった。
「全く影響していない」夫婦では77%が「とても良好な関係」を保っているのに対し、「かなり影響している」夫婦では良好な関係が23.1%まで低下。代わりに、意見の不一致や金銭面での考え方の違い、親族付き合いでの溝など、様々な問題が増加していることが分かり、義実家の影響度と夫婦関係には明確な相関関係が見られる。
最後に、「理想の年末年始の過ごし方」(単一回答)について聞いたところ、以下の回答が得られた。
最も多かったのは「自宅で家族だけで過ごしたい」という回答で、核家族での時間を重視する傾向が見られる。一方で、義実家との関係を完全に切るのではなく、「日帰り訪問」や「子どもとの交流時間の確保」など、バランスを取ろうとする意向も見られた。