JR東海と積水化学工業は、次世代太陽電池を搭載した防音壁の試作品を共同開発したと発表した。東海道新幹線沿線の防音壁にペロブスカイト太陽電池を設置し、再生可能エネルギーの活用をめざす考え。2025年1月から小牧研究施設で実証実験を開始する予定としている。
今回開発した防音壁は、従来難しいとされていた10年相当の屋外耐久性を確認した積水化学製のペロブスカイト太陽電池を採用。薄く軽量で柔軟性があり、場所を取らないため、従来の太陽電池と比べて設置場所の制約が少なく、新幹線の通過による振動や風圧にも対応できるという。防音壁の構造体部分は太陽電池より寿命が長いことから、防音壁にガイドレールを取り付けて太陽電池を差し込む構造を採用。メンテナンス時に太陽電池だけ取り換えられるようにした。
実証実験では、屋外環境での発電性能の評価や、列車通過時の振動・風圧による影響などを検証する。発電した電力は駅での利用を想定している。両社は実証実験の結果を踏まえ、実用化に向けた検討を進めるとしている。