東南アジアで今、クルマとバイクのカスタムシーンが盛り上がり始めている? マレーシアでカスタムカー・バイクのイベント「Art Of Speed Malaysia」を開催している主催者に「YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024」(12月1日にパシフィコ横浜で開催)の会場で話を聞いた。
東南アジアのカスタム事情
「Art Of Speed Malaysia」はいわば、マレーシア版ホットロッドカスタムショーのようなイベントだ。担当者に話を聞くと、東南アジアのカスタムシーンは現在、20~30代の若い世代を中心に盛り上がりを見せているという。
特徴的なのは、日本のカスタム文化から強い影響を受けていること。日本のカスタム文化はアメリカンカルチャーから影響を受けつつ発展してきたが、東南アジアの場合はそれが日本であり、実際に「Art Of Speed Malaysia」でも日本風のカスタムが施されたマシンを目にする機会が多いそうだ。
マレーシアのカスタム技術を実車で確認
では、マレーシアのカスタム技術とはどれほどのものなのか。「Art Of Speed Malaysia」のブースには、「Art Of Speed Malaysia Invitational Build Off 2024」というコンペティションで最優秀賞を獲得した「ヤマハ RX-Z ツインボス」が展示してあったので、じっくりチェックしてみた。
ベースとなっているのは日本未発売モデルのヤマハ発動機「RX-Z135」だ。空冷2ストローク単気筒133ccエンジンを搭載したこのバイクは1985年にデビューし、2011年まで販売が続いたロングセラーマシン。現地では今も人気の高いモデルだという。
「ヤマハ RX-Z ツインボス」は黄金比で作り上げたというワンオフのフレームを採用。そこにRX-Z135の133ccエンジン2機を並列につなげて搭載している。日本ではあまりない発想のカスタムだ。総排気量266ccへとパワーアップしたエンジンに合わせて、リアディスクには上下2つのキャリパーを装着し、制動力を高めている。
エンジンをはじめとする随所にクロームメッキを施し、チャンバーはサイレンサーレスをセレクトするなど見た目にもこだわっている。機能性とデザインの両方を追求しようという意図が見て取れる。
「ヤマハ RX-Z ツインボス」のカスタム技術について日本のカスタムビルダーに感想を求めてみたところ、彼らから見ても非常にレベルが高いとのことだった。
現在、東南アジアのカスタム市場は日本と比べればまだまだ小さいそうだが、逆に言えば、それだけ伸び代があるということでもある。東南アジアのカスタムシーンが今後、どのように発展していくのか要注目だ。