昔から、「金持ち喧嘩せず」という言葉がありますが、銀行の窓口にクレームを入れる人は、どのような人なのでしょうか? お金持ちの場合、クレームを入れるのでしょうか?
今回は、元銀行員である筆者の実体験をもとに、お金持ちとクレームの関係に迫っていきます。
◆お金持ちは確認から入る
私たちがクレームを入れたくなるタイミングは、「こんな内容でいいのか?」「間違っているのでは?」「ちょっと納得いかないな」というようなことが起こったときなのではないでしょうか?
銀行員も人間ですので、うっかりミスをしてしまうことはあります。お客様へ不快な思いをさせてしまったなら、クレームを受けたり、大きな声で怒鳴られたりすることもあります。
こうなると謝らなければなりませんが、大声で怒鳴られるとどのように対処していいのか分からなくなり、かえって大きな問題に発展してしまうこともあり得ます。またひどい言葉を投げかけられたりすると、その後の業務に影響が出てしまうことも少なくありません。
その一方でお金持ちやセレブといわれている人の場合、「これで正しいのか?」を確認してくることが多いのです。
また、クッション言葉として、「間違って伝わってしまっているかもしれないのですが……」等の相手を気遣う言葉を投げかけてきてくれますので、こちらも落ち着いて対処することができます。
ミスを指摘したい場合、思い込みでエスカレーションしてしまうこともありますので、お金持ちの確認から入るスタイルは大いに見習いたいものです。
◆さり気なく有利な交渉をすることも……
実際にお客様に迷惑をかけてしまったときは、理不尽な要求をしてくる人もいました。
一方で、お金持ちの場合、水に流してくれる人も多いのですが、次に預けるときの預金金利を上乗せ等の金利交渉をしてくる人もいました。とはいえ、決して無茶な要求をするのではなく、自然な流れでお客様にとって有利な交渉が成立している、というケースを何度か目にしました。
相手に理不尽な要求をすると、せっかくの交渉ごとを有利に進められる機会を逃してしまうのです。損害を被った場合でも、チャンスを逃さず、相手が対応しやすい方法を提案するのがお金持ち流といえるのではないでしょうか。
文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。
文=飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)