ブラジルサッカー連盟の会長選出馬を表明したロナウド氏 [写真]=Getty Images

 ブラジルメディアの『グローボ・エスポルチ』は16日、かつてブラジル代表のFWとして活躍したロナウド氏がブラジルサッカー連盟(CBF)会長選挙への立候補を表明したと報じた。

 現在48歳のロナウド氏は現役時代“フェノーメノ(怪物)”の愛称を持ち、バルセロナ、インテル、レアル・マドリードなど所属クラブで得点を量産。また、2002年の日韓W杯では、大会通算8ゴールを決め得点王に輝き、ブラジル代表の優勝に貢献した。

 そんなロナウド氏はかつてからCBF会長就任への意欲を示していたが、今回正式に立候補を表明。同メディアに対し、「出馬の最も大きな理由は世界レベルでブラジルサッカーに対する敬意を取り戻したいということ。自分が街中にいて最も多いのは、人々が立ち止まり自分に対して『選手として再びプレーして欲しい』とお願いしてくることなんだ。なぜなら現在、セレソン(ブラジル代表)の状況はピッチの中でも外でも、ベストとは言えないからね」と、FIFAワールドカップ26南米予選などで5位と低迷するなど、サッカー界での地位を落としている母国代表を復活させるために出馬を決断したと説明。
 
 つづけて「何十年もの間、サッカーはブラジル国民が日常の問題に直面したときの逃げ道だった。セレソンの試合があると、サポーターは応援し、声援を送り、一緒に祝ってきた。こういうことがブラジル国民にとっての“燃料”のようなものだった。しかし現在、ブラジル国民のセレソンに対する関心は完全に失われている。CBF会長選挙に立候補する理由は何百とある。けれど、一番大きな動機は、セレソンだけが持っていた名声と尊敬を取り戻したいということなんだ」と、ブラジル代表を愛される存在に戻したいと強調した。

 また、ロナウド氏は「ブラジルのサッカー産業はこの国のGDPの0.7パーセントを占めている。しかし、サッカーが重要な産業になっている他の先進国に比べると非常に少ない」とし、ブラジル国内の大会の放映権を外国に拡販するなどして、ブラジルサッカーが得る収益を大きくしたいと語った。

 なお、現在CBF会長は2022年3月の選挙に当選したエドナルド・ロドリゲス氏が務めているが、リオデジャネイロ司法裁判所などが前回の会長選挙に不正があったとして、ロドリゲス氏の当選を無効と判断。2023年末に同氏は会長職から解任される予定だったが、今年の初めに自身に下された決定に対する差し止め令を受け、2026年3月までの任期でCBFの会長職に復帰している。

 CBF会長選挙に立候補するためには少なくとも4つの州のサッカー連盟と4つのクラブの支援が必要となる。現会長の任期の1年前(2025年3月)から選挙運動期間となり、ロナウド氏は自身に対する支持を得るためブラジル中を巡ると説明されている。