MFガブリエル・シャビエルが現役引退を発表 [写真]=Getty Images

 Jリーグでも活躍したMFガブリエル・シャビエルが、現役を引退することを発表した。

 “魔術師”がスパイクを脱ぐ。1993年7月15日生まれのシャビエルは現在31歳。母国ブラジルのポルトゥゲーザでプロキャリアを始めた後、クルゼイロとスポルチ・レシフェ、ヴィトーリアを経て、2017年夏に名古屋グランパスに加入した。当時のJ2リーグにおいて、チームは加入直前7試合で2勝5敗と低調だった中、デビュー戦となった第24節京都サンガF.C.戦でのゴールを皮切りに、出場した後半戦の16試合で7得点15アシストと傑出。第25節から第29節にかけての5連勝、第34節から第37節にかけての4連勝などの立役者となり、3位で回った昇格プレーオフの末に、1年でのJ1リーグ復帰を成し遂げた。一級品のテクニックと、創造性で攻撃に息吹を宿すその様は、まさに“魔法”にかけられたようだった。

 戦いの舞台をJ1リーグに移した翌シーズン以降も、“GX10”は主力として活躍した。2018シーズンの夏場の7連勝からの最終節劇的残留劇の他、ラストイヤーとなった2021シーズンには、クラブ史上初のルヴァンカップ優勝にも貢献。約4年半に渡って在籍した名古屋グランパスでは、ケガに悩まされることもあったが、公式戦通算137試合に出場し22得点37アシストを記録。2020シーズンの第9節浦和レッズ戦での、MF前田直輝のハットトリックに繋がったベルカンプターンからのスルーパスを始め、ロッソジャッロに残したプレーは決して色褪せないだろう。

 名古屋グランパス退団後の2022シーズンは北海道コンサドーレ札幌に加入すると、公式戦34試合に出場し5得点2アシストをマーク。が、1シーズン限りで退団となった後は、シャペコエンセを経て、2024年にファジアーノ岡山にプレーの場を移したものの、同年7月に「家族の問題で、人生における非常に重要な決断」とし、家庭の事情により契約解除することが発表されていた。

 そんな同選手は16日、自身の公式Instagramにて現役を引退することを発表。11年間のプロキャリアにおいて、半分近くをJリーグで過ごしたシャビエルは、ポルトガル語と日本語でお別れの言葉を綴った。

「今日、私はピッチからの引退を正式に発表するためにここに来ました。プロサッカー選手として11年間、夢が叶い、世界中の人々や文化に出会う無数の機会をもたらしてくれました。人々が想像するよりもハードなこのキャリアで、私の人生のすべての瞬間に私のそばにいてくれた家族にまず感謝したいです。そのおかげで私はこのサッカー人生を楽しむ事が出来ました」

「また、私が一緒に仕事をしたすべてのチームメイト、コーチ、強化部長、社長、メディカル、すべてのスタッフ、特に私たちを一番サポートしてくれたサポーターに感謝したいと思います」

「最後に、私の第二の故郷となってくれた日本に感謝します。温かく迎え入れてくれた事には特別な思いがあります。ありがとう、サッカー!」

【現役引退】プロキャリアに終止符を打ったシャビエル