TimeTreeの社内研究所「TimeTree 未来総合研究所」は12月16日、ユーザーの予定動向をまとめた「未来データレポート 2024年12月版」を公開した。
年末年始の旅行需要が本格的に回復
カレンダーアプリ「TimeTree」に登録された予定データから、2019年以降6年間における年末年始、12月26日~1月3日の「旅行」予定の推移を分析した結果、2024年の旅行予定登録数は、コロナから回復基調にあった2023年比で約120%に増加しており、年末年始の旅行需要が本格的に回復していることが明らかになった。
年末年始の旅行スタートは「12月28日」がピーク
今年の9連休(12月26日~翌年1月5日)の間に予定登録された「旅行」予定の登録データを分析したところ、「12月28日」に最も予定登録が集中していることが明らかになった。この日の旅行予定登録率は期間中の平均の約1.9倍と他の日を大きく上回っている。多くの企業が12月27日を仕事納めとすることから、翌日を出発日に選ぶ人が多いと推察される。
旅行予定から見る「海外の旅行先」トレンド
過去3年間の年末年始期間の「旅行」を予定名に含むデータから、登録件数の多い上位300件のものを抽出し、予定名に海外の地名(国名や都市名)が含まれていたものについて集計することで、海外旅行先の傾向を分析した。
2024年の年末年始に人気の海外旅行先ランキングでは、韓国、台湾、タイ、香港、ベトナムが上位を占め、アジア圏が圧倒的な支持を集めていることが明らかになった。これには、地理的な近さや費用の手頃さが大きく影響していると考えられる。
特に韓国は、2022年から3年連続で1位を獲得。アクセスの良さや航空券・宿泊費の安さだけでなく、K-POPや韓国ドラマ、映画といった韓国文化が若年層を中心に強い支持を受けていることや、美容やグルメのトレンドを楽しめる点も、多くの旅行者が韓国を選ぶ理由と言える。トップ10を見ると、ハワイやオーストラリア、イタリアなど、リゾート地として魅力的な国・地域は、アジア圏の次に人気を集めている。
海外ユーザーの動向は?
TimeTreeは世界でも利用されているが、中でも海外ユーザーの多い上位5カ国、アメリカ、ドイツ、韓国、台湾、イギリスのユーザーの予定データの中から、「日本、東京、福岡、大阪、京都、広島、長崎」のワードを指定して抽出。2022年から2024年の年末年始(12月26日~1月3日)における日本への旅行予定のトレンドについて調査、分析した。
今年のインバウンド旅行予定数は昨年と同水準
コロナ禍の収束や国境を超えた旅行制限の緩和が、2023年の年末年始の旅行予定に大幅な旅行需要の回復をもたらしたと考えられる。実際の訪日観光客数をみてみると、日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年の年間での訪日外国人旅行者数(推計値)は2506万6100人となっており、2022年(383万2110人)と比べると一気に2000万人以上が増加したことが分かっている。
さらに2023年から2024年の年末年始の旅行予定をみていくと、すでに旅行需要が2023年に急回復している前提もあり、増加幅は限定的になっているものの、日本行き旅行の需要が安定して高水準に達していることがわかった。
国別の状況を詳しくみていくと、日本から海外への旅行先と同様、韓国と台湾が日本への旅行需要が他国と比較して非常に高く、年末年始という限られた期間の中では、近場の日本が選択肢のひとつとして選ばれている様子が伺える。イギリスとアメリカは、韓国、台湾には及ばないものの、着実に旅行予定登録数は増加しており、今後のさらなる回復が期待される。ドイツは2022年から2024年にかけて日本への年末年始の旅行予定が着実に増加しているが、全体的には日本旅行の割合はかなり低く、まだ大きな需要を示してはいなかった。