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◆“一体感”から得られる感動
南:これからも“いい声をキープする”というのは歌手としての使命というか。
イルカ:でも、声は体調(の良し悪し)がもろにでるから一番難しいですよね。精神的なことも影響しているのかもしれないけど。
南:そうね、難しい。
イルカ:でも歌っているうちに不思議とだんだん声が出てくる!
南:出てくるね!
イルカ:だから、歌うってすごくいいことなんだと思います。
南:もちろん! あと、歌っているときは何らかのイメージがどんどん湧いてくるんですよ。そういうイメージする力とか何かを感じる力って、生きるのにとても大事な要素ですよね。
イルカ:うんうん。それもあるんだけど、逆に歌っているときに“無”になったり、コンサートのときに“全員が1つになっている”って感じるときもあるでしょ?
南:ありますね! 人間ってやっぱり誰かがいないと生きられないし、みんなと同じ時間を一緒に過ごすときの“本能的な快感”っていうのがあるんでしょうね。
イルカ:ありますね。特にコンサートをしているときに思うんですけど、曲を聴いて“懐かしい”という気持ちがなんとなく共有されて、みんなで一緒に笑ったり、手拍子をしたりすると“身も心も同調してくれているのかな”って。それで“うわぁ……”って(感動的な気持ちに)なるときがあるんですよ。
南:みんなで盆踊りを踊ったり、運動会でかけっこをするのと同じような、自分が初めて人の(輪の)なかに入って、一緒になったときはとてつもない感動になる。
イルカ:お経なんかもそうじゃない? 南さんはお寺さんの息子だけど、私お経を聴くのがすごく好きで、お坊さんのお経を聴いていると、みんな音程を合わせようとかしているわけじゃないのに、すごく音程の幅があって気持ちいいでしょ?
南:それぞれの言葉というか、それぞれの音域があるよね。地響きのような低い声の人もいたりして。
イルカ:そうそう(笑)。だから“声を合わせる”っていうのはいいことなの。賛美歌を歌ったりするのもいいし。
南:賛美歌もきれいだし、コーランなんかもいいですよね。
イルカ:あと、ここのところずっと行けていないですけど、バリに行くとガムランの踊りを見るの。日頃は(演奏する方も)みんな農夫さんだったりするんだけど、ものすごく複雑なリズムなのに全員がバチッと合うの。
南:合うんだ!
イルカ:話を聞くと「別に合わせようと思っているわけじゃなくて、相手のことを聴いていれば合うんだよ」と。だからきっと、人の音を聴こうとすることで、相手の思いを分かろうとする気持ちが生まれてくるんだよね。
南:なるほど。
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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/speakeasy/