人間なら誰でも、「お金を稼いで、幸せに暮らしたい!」という気持ちがあります。とはいえ、お金のために激務をこなしても、そのせいで不幸になっては本末転倒です。興味深いことに「お金が欲しいなら、まず幸せになることが大切だ」という見方もあります。

人間なら誰でも、「お金を稼いで、幸せに暮らしたい!」という気持ちがあります。とはいえ、お金のために激務をこなしても、そのせいで不幸になってしまっては本末転倒です。

◆幸せでいることが成功を引き寄せる?

興味深いことに「お金が欲しいなら、まず幸せになることが大切だ」という見方もできます。

心理学者のBoehmとLyubomirskyが2008年に発表した幸せと成功についての研究(「Does happiness promote career success?」)によると、「成功が幸せを生む」だけでなく、「幸せでいることが成功を引き寄せる」という考え方も非常に有力だとされています。

同じ著者による2018年の研究(Does happiness promote career success? Revisiting the evidence)では、ポジティブな感情を意図的に増やすことで、職場でのパフォーマンスが向上することが実証されています。つまり、まずは自分を幸せにすることが、結果として収入を増やすカギになるということです。

「じゃあ、どうやったら幸せになれるのか?」というのは、難しい問題です。心理療法士のラスハリスが「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」という本を書いたように、意識しすぎると、かえって精神的にも良くないからです。ガチガチに論理で詰めるより、気楽にフワッと考えたほうがうまくいきそうです。

◆まずは自分の心のケアが大事?

筆者であれば「自分が気分よく人生を過ごしているときには、どんなことをしているかな?」をときどき思い返しています。

思い付く範囲だと「仲良い人と頻繁に会話する」「楽しく仕事に集中できている」「大好きなことに没頭する」「体を動かす」「瞑想する」「新しいことにチャレンジする」「次の休日に何をするか計画する」などが、自分が気分良く過ごせているときに共通しています。

頑張って給料をもらうことはもちろん大切ですが、心が疲れてしまっては長続きしません。反対に、同じ仕事をしていても、ポジティブな気持ちで取り組む人は、自然と周りの評価も高くなり、結果的に昇進や昇給の機会も増えることが多いのです。

幸せになることは決してぜいたくではなく、むしろキャリアや収入を向上させるための重要な要素です。お金を稼ぐために頑張るのは大切ですが、まずは自分の心のケアを大切にしましょう。それが、結果的に「もっとお金を手に入れる」一番の近道になるかもしれません。

【参考文献】

ラス・ハリス『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』

文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)

18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。

文=中原 良太(個人投資家・トレーダー)