来年1月5日にスタートする大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)の完成試写会が16日、東京・渋谷の同局で行われ、主演の横浜流星、脚本を担当する森下佳子氏、演出の大原拓氏、制作統括の藤並英樹氏が出席した。
大河ドラマ第64作となる本作で横浜流星が演じる主人公は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった“蔦重”こと蔦屋重三郎。日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた蔦重の波乱万丈の生涯を描く。この日の試写会で第1回がお披露目され、舞台である吉原で、周囲の人たちのためにパワフルに動き回る蔦重を熱演する横浜の姿が映し出された。
横浜は「2日前に完パケを見たんですけど、新たな大河ドラマになっています。合戦はありませんが、商売の戦いが繰り広げられますし、色濃く人間ドラマが描かれていて、展開がスピーディーで痛快なエンターテインメント作品になっていると思います」と手応えを口に。そして、「すべてが挑戦」だと言い、「自分が触れてこなかったし、挑戦してこなかった世界観だし、キャラクターだし、NHK作品に出演するのも初めてですし、大河ドラマも初めてなのに主演を務めさせていただけて、挑戦だらけ。だからこそ壁が高いので、しっかりと乗り越えられたらいいなと思っています」と語った。
第1回の演出を担当した大原氏は、横浜の印象について「これまで抱いていたのは、かっこいい。今抱いているのは、かわいい」と述べ、「横浜さんの笑顔がすごく好きなんです。森下さんとも横浜さんとも、蔦重のキャラって明るいよねというところを大事にしたいと話していて、明るいから人が集まって来て、だからメディア王になれる。引っ張るというよりもみんなが蔦重のもとに集まってしまうようなキャラクターでありたいという話をしていて、横浜さんの笑顔を見ると、撮っていてもこっちが元気になる。その笑顔力はすごいです」と横浜の笑顔を絶賛した。
また大原氏は、横浜としっかり話し合いながらキャラクターを増幅させていったと言い、「横浜さんのキャラクターに対する真摯な向かい方とか、みんなで作っていける、そこに対して責任感を持っていただけるという意味で、横浜さん主役でやっていこうをみんなが思えた瞬間でした」と横浜の現場での姿勢も称賛した。
森下氏は「私はもともと蔦重という人が、残している本などを見て、パワフルで頭がよく、成り上がっていきつつ、周りにめっちゃ愛されたというのが、憧れなんですよね。そんな人間になれたらめっちゃいいだろうなと思っていて、そこに横浜さんが乗ったのがもうやばくて。好きになりすぎるんじゃないかと、今危険な状態にいます」と、横浜演じる蔦重に惚れ惚れ。
2人の話を聞き、横浜は「感動しています。自分は森下さんが作った世界での蔦重を全力で生きていて、大原さんの演出を受けて全力でやっているだけなので、そう言っていただけてよかった、間違えてなかったんだな、このまま突き進んでいこうという気持ちです」と安堵し、座長としての心構えを聞かれると「自分は声に出してみんなを引っ張っていくタイプではないので、自分がやるべきことを全力でやり、横浜頑張っているから頑張ろうと思ってもらえたらいいなと。しっかりとこだわりを持って、限られた時間の中でも妥協しないというのは大事にしています」と語っていた。