12月になり株式投資でうれしい時期がやってきました。というのも、この時期は3月決算企業の中間配当の受け取りがあるからです。
受け取った配当金をプライベートで使うもよし、将来のために再投資に回してもよいでしょう。
かくいう筆者は再投資に回すつもりなのですが、「どんな会社に投資しようかな?」と今からワクワクしています。そこで今回は、配当金を受け取ったとき、どんな再投資先を選ぶとお得か考えていきます。
◆再投資先の候補
一言で「再投資」と言っても、投資先の候補は山ほどあります。今の投資先にそのまま再投資する方法もあるでしょうが、それ以外にも、違う資産クラスを検討したほうが分散効果も高まります。
資産運用のパフォーマンスの大部分は「資産配分」で決まりますから、まずは、株式以外に、資産全体をどのように配分するかをじっくり考えるとよいでしょう。
例えば、年金ファンドのGPIFは、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に25%ずつ配分することで、どう転んでも手堅く運用できるような仕組みが作られています。
なお、資産配分を考えるときには、今手元にない、目に見えにくい資産も合わせて配分を考えるとよいでしょう。
例えば、退職金を受け取る予定がある方は、思った以上に預貯金をたくさん持っていると言えます。そう考えると、思った以上に株を買っておいたほうがいいかもなあ、と判断できるかもしれません。
同じように、厚生年金や国民年金などの年金受給額も、たくさん受け取れる予定ならリスクを取る余地も増えるでしょうし、逆に、年金受給額が少ないようなら、多めに現預金を積み上げておいたほうがいいと判断が分かれてくるかと思います。
円資産を多く持っているなら、配当金は外貨に回したほうがいいかもしれません。あるいは、株式をたくさん持っているなら、配当金では不動産や債券などの別の投資商品を選ぶこともできます。
現時点で株式への投資比率が高すぎる場合は、受け取った配当金を、株式市場が低迷したときに安く買うための余力として取っておくのも一手です。
◆株式に再投資する場合
株式で受け取った配当金は、そのまま株に再投資したい!という方も多いかと思います。では、株式に再投資する場合は、どんなことに気を配るといいでしょうか。
まず考えるべきこととしては、持ち株にリスクの偏りがないかを考えるのがよいでしょう。
例えば、景気に敏感な株ばかり持っていたり、逆に、守りに堅い株ばかりを持っていたりすると、ポートフォリオとしてはバランスが悪いかもしれません。
同じく、日本株の場合は地震大国ということもあり、地理的なリスクもあります。ですから、同じ地域にばかり集中投資せず、地域の分散も考えるとよさそうです。
他にも、為替の影響、景気の影響、資源価格の影響、もろもろ踏まえて業績変動リスクを中和し合えるような投資先を組み合わせたいところです。
また、ポートフォリオを組むときには、自分に合った形になるように、何かしらの「コンセプト」を持っておくとよいでしょう。
例えば、若い人がポートフォリオを組むなら、運用資金も少ないでしょうし、目先は働いて収入を得られると思いますから、配当をたくさん受け取れる会社というより、もっと長い目でみて伸びていきそうな会社に投資をしたほうがいいかもしれません。
一方、退職後の方がポートフォリオを組むなら、成長を長く見守るつもりもなく、むしろ年金の足しがほしい場合は高配当株などがいいかもしれません。
あるいは、相続のことまで考えると、「子どもや孫が長期で保有する」ことを見越して、また違った視点で投資をすべきかもしれません。
投資先選びは結婚相手を選ぶようなもので、「相性」というものがあります。私にとっては良い投資先でも、あなたにとってはダメかもしれませんし、その逆もあり得るということです。
まずは自分が投資をする目的を明確にして、最適な資産配分となりそうな再投資先を探してみてはいかがでしょうか。
文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)
18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。
文=中原 良太(個人投資家・トレーダー)