鈴木彩艶は奮闘も、今季2度目のクリーンシートとはならず [写真]=Getty Images

 セリエA第16節が15日に行われ、パルマ・カルチョとヴェローナが対戦した。

 パルマ・カルチョはセリエA復帰後1年目のシーズンながら、ここまでは3勝6分6敗の勝ち点「15」を獲得し、試合前の時点で暫定13位につけている。前節は優勝争いに参戦するインテルに1-3で敗れたものの、前々節は同じく上位陣に身を置くラツィオを3-1で破るなど、悪くないシーズン序盤戦だ。

 今節は、ここまで4勝11敗の勝ち点「12」で降格圏の18位に沈むヴェローナをホームで迎え撃つ。パルマ・カルチョの守護神として、出場停止の1試合を除く14試合に先発しているGK鈴木彩艶は、この試合でもゴールマウスを託された。

 試合の均衡は序盤の5分に破れる。ヴェローナは左コーナーキックを獲得すると、オンドレイ・ドゥダはショートで繋ぎ、アブドゥ・ハルイが切り返しから左足でクロスボールを供給。これが中央で待っていたディエゴ・コッポラの頭にピタリ。狙い澄ましたヘディングシュートはGK鈴木の手を超えてゴールに吸い込まれ、ヴェローナが先手を取った。

 ホームで1点ビハインドを強いられたパルマ・カルチョも、コーナーキックから“やり返す”ことに成功。19分、同じくショートで繋ぎ、アンジュ・ボニーが右サイドから中央へ持ち運ぶと、左足でフィニッシュまで持ち込む。ここはゴールカバーに入っていたダニエレ・ギラルディがクリアしたものの、こぼれ球をジーモン・ゾームが押し込み、試合を振り出しに戻した。

 このまま1-1で後半へ折り返すと、ヴェローナが再び前に出た。57分、自陣でボールを奪ったところからアバウトなボールを前線へ蹴り込むと、サールがポストプレーでボールを叩く。右サイドを駆け上がったハルイがグラウンダーのボールを折り返すと、ゴール前へ走り込んでいたサールがダイレクトで仕留め、ヴェローナが勝ち越しに成功した。

 その後は両チームチャンスの数を増やしながら、仕上げのシーンでのミスも目立ち、ヴェローナが1点をリードしたまま終盤へ突入。このような状況で迎えた75分、ヴェローナは自陣右サイドでのボール奪取から、トマーシュ・ススロフが巧みなボールタッチを見せ、前方へ繋ぐ、うまく入れ替わったジャクソン・チャチュアが相手を引き付けて横へ渡すと、ダイロン・リブラメントがゴール正面から左足フィニッシュ。ここはGK鈴木が防いだものの、こぼれ球をダニエル・モスケラが押し込み、ヴェローナがトドメを刺した。

 ホームで追い込まれたパルマ・カルチョは90分、ペナルティエリア手前左寄りの位置で横パスを受けたゾームが、狙い澄ましたグラウンダーのミドルシュートを叩き込み、1点を返す。だが、パルマ・カルチョの反撃はここまで、試合はこのままタイムアップを迎えた。

 パルマ・カルチョは相手に多くのチャンスを許しながら、精度不足に助けられたような場面も多く、今季のセリエAでは2度目の連敗を喫した。GK鈴木を筆頭とした守備陣も、今季2度目のクリーンシートを達成できず、悔しい結果に終わっている。一方のヴェローナは、3-2で撃ち合いを制した第11節ローマ戦以来、5試合ぶりの白星を手にした。これで勝ち点を「15」に伸ばし、パルマ・カルチョに並んでいる。

 次節、パルマ・カルチョは22日に敵地でローマと、ヴェローナは20日にホームでミランと、それぞれ対戦する。

【スコア】
パルマ・カルチョ 2-3 ヴェローナ

【得点者】
0-1 5分 ディエゴ・コッポラ(ヴェローナ)
1-1 19分 ジーモン・ゾーム(パルマ・カルチョ)
1-2 57分 アミン・サール(ヴェローナ)
1-3 75分 ダニエル・モスケラ(ヴェローナ)
2-3 90分 ジーモン・ゾーム(パルマ・カルチョ)