「葬儀の口コミ」を運営するディライトは12月12日、「年賀状と喪中はがきの文化」に関する調査結果を発表した。調査は2024年11月26日~11月27日、20~70代の男女1003人を対象にインターネットで行われた。
2025年の年賀状を出さない予定の人は約6割
「2025年、新年のあいさつとして年賀状をはがきで出す予定ですか?」と質問したところ、約6割が「出さない(62.6%)」と回答し、年賀状を出さない人が多数派であることが明らかになった。
年賀状を「出さない」と回答した人に「年賀状を出す代わりに、どんな手段で新年のあいさつを行う予定ですか?(複数選択可)」と質問したところ、「LINE(46.7%)」と回答した人が最も多く、次いで「特に行わない(44.0%)」「メール(15.0%)」となった。新年の挨拶がデジタル化・簡略化され、特にテキストベースの手段が主流となりつつあることがうかがえる。
さらに、特に行わないと回答した人も次いで多くなっており、形式的な挨拶への価値観の変化により、新年の挨拶を行う文化そのものが必須とは見なされなくなりつつあるようだ。
従来、年賀状を出さない理由としては「喪中」が主だったものの、時代の流れの中で「年賀状じまい」(年賀状(年賀はがき)を出すのをやめること)を行う人も増えている。
「出さない理由として、当てはまるものを教えてください」と質問したところ、「年賀状じまい」を既にしている(64.3%)」と回答した人が最も多く、次いで「今年から『年賀状じまい』を検討している(14.7%)」「喪中(12.1%)」となった。既に6割以上が年賀状じまいを行っており、さらに今年から「年賀状じまい」を検討している人も一定数いるようだ。
続いて「年賀状じまいの選択理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、「手間の軽減(43.2%)」と回答した人が最も多く、次いで「メールやSNSなど電子的な手段で十分(42.7%)」「人間関係の整理(20.6%)」となった。
手間の軽減と回答した人が最も多く、経済的理由よりも電子的手段の活用や人間関係の整理が上位にくる結果となった。
年賀状を出さない背景としては、新年の挨拶文化の希薄化に加え、経済的負担の軽減よりも手軽さを重視する現代的な価値観が考えられる。さらに、限られた時間を効率的に使いたいという現代社会の忙しさや、デジタルツールの利便性が、伝統的な年賀状文化を大きく変容させていると考えられる。
「喪中はがきを出していない」人は7割以上
年賀状じまいをしても、年賀状が届くこともある中でどういった対応をしている人が多いのか。
そこで「年賀状じまいはどの程度しましたか?」と質問したところ、「全く送っていない(65.7%)」「受け取った人への返信のみ(21.6%)」「ごく一部の親しい人のみに送っている(4.2%)」「関係が希薄になった人だけ送らなくなった(8.5%)」という回答結果になった。年賀状を全く送っていない層が過半数を超え、慣習としての年賀状離れが進行していることが明らかになった。
同様に年末年始のはがき文化の1つである、喪中はがきについても質問したところ、約7割が「出していない・出さない(73.6%)」と回答した。年賀状を出さない人が約6割である一方、喪中はがきを出さない人はさらに多く、7割以上に達しており、喪中はがきの方がより簡略化されていることが示された。高齢化に伴い、年賀状と合わせて終活の一環として喪中はがきを簡略化している人も多いようだ。
年賀状や喪中はがき文化の簡略化、約8割が「賛成」
喪中はがきを出していない、出さないという人が多いことがわかったが、どのようにして知人の訃報情報を得ているのか。
「知人の訃報を知る手段として経験があるものを教えてください(複数選択可)」と質問したところ、「喪中はがき(63.7%)」と回答した人が最も多く、次いで「LINE(31.4%)」「電話(28.3%)」となった。
今までの経験として、喪中はがきが最も多い一方で、LINEや電話といった電子的・直接的な手段も次いで割合を占めており、情報伝達の多様化が進んでいることが示された。デジタルツールの普及により、簡略化することへのハードルが低くなり、年賀状だけでなく、喪中はがきの必要性も低くなっているのかもしれない。
このように、年賀状や喪中はがきなどの文化が簡略化していくことについて、どう考えられているのか。「年賀状や喪中はがきの文化が簡略化していくことをどう考えていますか?」と質問したところ、「とても賛成である(34.9%)」「やや賛成である(46.3%)」「やや反対である(14.8%)」「とても反対である(4.0%)」という回答結果になった。簡略化に賛成する人が多い一方で、一定数の反対意見もあり文化への認識が分かれている様子がうかがえる。