[写真]=小澤一郎

 14日、バレンシア州アリカンテにて行われた国際親善試合でU−16日本代表はU-17スペイン代表に2-2と引き分けた。この試合で前半19分、日本の2点目となる左足でのゴラッソを決めたのがFW加茂結斗(柏レイソルU-18)だ。

 廣山望監督も「思いもよらないミドルシュートでした」と手放しで称賛すると同時に、「先日の1試合目(1-5の大敗)では誰も目立っていなかったので、彼のように目立つ、インパクトを残す個がこの試合は出てきてくれて良かった」と加茂の活躍とゴラッソに笑みをこぼした。

 守備面でも高い強度を維持しながら局面での激しさ、強さを出し、スペイン代表を攻守で困らせた。以下、加茂の試合後のコメント。

――2点リードでの前半だっただけに悔しい引き分けになりましたか?
「はい、悔しいです。1戦目が1-5という大敗の中でチームみんなで話し合い、監督からのミーティングもあった中で、絶対に負けて帰れないし、あの1-5の大差を逆にひっくり返すくらいの大差で勝とうというのが今日の目的でした。前半、失点0で抑えて2点リードで折り返せたのは良かったですけど、結果2−2の同点なので悔しいです」

――1-5の大敗を受けて今日の前半が良かった要因は?
「自分たちも相手もメンバーが替わっていたので、出るメンバーで共通理解を持ってプレスに行くところ、2点をリードした後はブロックを敷いて引くところだったりをみんながしっかり理解して、同じ意識を持ってやれていたのが2-0で折り返せた理由かなと思います」

――素晴らしいゴールでしたね。
「相手からボールを奪った直後の局面だったのでパスが入ってくるなという感じで準備はしていて。後ろの状況はあまり確認できていなかったのですが、感覚的に相手が来ていない、ターンできるなという感覚だったので前を向いたら、センターバックとの距離感もあってあまり寄せて来なかったので。まあ、監督からもミドルシュートを求められていたので振ってみたらいいところに当たって、上手く入ったという感じです」

――右利きですよね?
「はい、右です」

――あんなシュートを決められるのだから、左も自信ありますよね?
「なくはないです(笑)」

――今回、同世代のスペイン代表と対戦してみての体感レベルでの強度、プレースピードはどうでした? 日本で体感できないものでしたか?
「いや、もう全然違いました。一つ先に体を当ててくるとか、スピード感とか、ガツンと来た時の当たり感とか。日本で体感したことのないものばかりでした。まずスピード感が違ったので。日本の方が組織的に守ってくるとは思いますが、スペインはまず個が組織を待たずにガツガツ来ます。やれなくはないですけど、やはり個の部分での違いはあると感じました」

取材・文=小澤一郎