「接触事故」を避けるために…“運転中の走行位置”で注意すべきポイントを専門家が解説
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。12月6日(金)の放送テーマは“正しい走行位置”について。自動車ジャーナリストの吉川賢一さんから、正しい走行位置の取り方と、その重要性について伺いました。

※写真はイメージです

運転中は常に“自分の車が道路上のどこを走行しているのか”に気を配る必要がありますが、それは道路環境によって変わってきます。運転に不慣れな初心ドライバーや新しい車に乗りかえて間もないときなどは、車両感覚が正しくつかめず、適した位置を走っていないこともあります。今回は、正しい走行位置や車両感覚の身に付け方を紹介します。

◆基本は“キープレフト走行”

道路交通法18条には「車両通行帯のない道路においては、車道の左側寄りを通行すること」と規定されています。車両通行帯のない道路とは、センターラインがない道路を指します。対向車との接触事故を避けるため、基本的にキープレフトで車を走行してください。また右折時は、後続車に右折する意思を伝えるために道路の中央側に寄せるのが正解です。ウインカーも早めに出すようにしましょう」と吉川さんは注意喚起します。

◆“センターラインのはみ出し”に注意

続いて、センターラインがある道路の走行について。片側一車線の道路や複数レーンがある道路、または高速道路でも、できるだけ左側の車線を走り、かつ車線のなかではキープレフト走行が望ましいです。「車線のなかでフラフラと左右に揺れるような動きをすると、後続車にとっては非常に迷惑となります。また、後方から走ってくるバイクを巻き込まないという狙いもあります」と吉川さん。

一方、狭い道では左に寄せすぎるのも危険です。その状態で走行すると、自動車だけでなく、同じ道路上にいるバイクや自転車、歩行者などを巻き込む可能性がありますので、左側にある程度スペースを空けて、速度も控えめにして走行しましょう。

センターラインに寄り過ぎると、重大な事故となりやすい正面衝突が発生するリスクがあります。対向車がこちらを気にするあまり、避ける動きをしたことで、ほかの自動車やバイクに接触する事故を起こしかねません。「センターラインオーバーによる対向車同士の衝突事故は、反対車線にはみ出したほうが100%の過失責任を負うのが一般的ですので、センターラインは絶対にオーバーしないようにしてください」と呼びかけます。

◆正しい走行位置を確認する方法

正しい走行位置をとるには、運転時の視線を100メートル先に定めるのがポイントです。同時に、左右のサイドミラーを使って自動車のタイヤの位置と白線の位置を確認するのが大切です。横の白線までの距離とボンネット越しに見える正面の白線の位置を合わせてイメージするのを続けていると、自動車の位置がどのあたりか体感できるようになっていきます。

運転歴が浅かったり、年末年始に不慣れな運転をする機会があるドライバーは、同乗者にチェックしてもらうのも手段のひとつです。「家族や友人などの同乗者に、適切な距離でキープレフト走行ができているかどうかを指摘してもらうのもいいと思います。また、運転中に進路を微修正するときは、ハンドル操作をゆっくりおこなうことで、同乗者にも安心してもらえる運転になります」と吉川さん。

“最高速度制限の数字”など路面に表示された数字や文字は、基本的に道路の中央にありますので走行位置確認の目安になります。また、運転する車の大きさや種類によっても感覚は変わりますので、自分の車のサイズを把握しておきましょう。

“車の走行位置”は安全運転の基本です。道路のどこを走っているかを常に考えながらハンドルを握るようにしましょう。

<番組概要>

番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全

放送日時:毎週金曜 7:20~7:27

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/