JR九州は、2025年3月15日のダイヤ改正で豊肥本線の特急列車を見直し、利便性向上を図ると発表した。D&S列車の「あそぼーい!」は運転区間を熊本~宮地間に変更し、上下各2本に増発。「九州横断特急」は運転本数を増やす。利用状況を踏まえ、特急列車の停車駅も見直す。

  • ダイヤ改正後、「あそぼーい!」は熊本~宮地間で上下各2本の運転に

現行の「あそぼーい!」は熊本~別府間で上下各1本を設定。臨時列車のため、「あそぼーい!」を運転しない日は同時刻で「九州横断特急81・84号」を運転している。2025年3月のダイヤ改正で、「あそぼーい!」は運転区間を短縮し、熊本~宮地間の運転に。本数は上下各2本に増え、下り「あそぼーい! 1号」は熊本駅9時57分発・宮地駅11時32分着、上り「あそぼーい! 2号」は宮地駅12時2分発・熊本駅13時19分着、下り「あそぼーい! 3号」は熊本駅13時36分発・宮地駅15時14分着、上り「あそぼーい! 4号」は宮地駅15時48分発・熊本駅17時8分着となる。

「九州横断特急」の定期列車は現在、熊本~大分間で上下各1本のみ運転。ダイヤ改正後は熊本~大分・別府間で上下各3本の運転とし、同区間での乗車チャンス拡大を図る。下り「九州横断特急1・3・5号」は熊本駅8時25分発・11時49分発・15時23分発(3本とも熊本発大分行で運転)、上り「九州横断特急2・4・6号」は大分駅8時7分発・12時9分発・15時32分発(「九州横断特急2号」のみ別府発熊本行、他2本は大分発熊本行で運転)。熊本~大分間の所要時間はおおむね3時間以上(「九州横断特急4号」のみ3時間弱)となっている。

  • 「九州横断特急」は熊本~大分間で上下各3本の運転となる

ダイヤ改正に合わせ、「あそぼーい!」と「九州横断特急」の停車駅も見直しに。熊本~大分間の途中停車駅は新水前寺駅、肥後大津駅、立野駅、阿蘇駅、宮地駅、豊後荻駅、豊後竹田駅、緒方駅、三重町駅とされ、これまで停車していた水前寺駅、武蔵塚駅、光の森駅、赤水駅、中判田駅は通過となる。水前寺駅は特急列車の前身である急行「火の山」の時代から優等列車の停車駅で、現在も熊本県内において利用者が多い駅のひとつ(2023年度の乗車人員は3,426人/日)だが、後に開業した新水前寺駅から近距離にあり(新水前寺~水前寺間は0.6km)、熊本市電と乗換え可能な新水前寺駅が水前寺駅を上回る利用状況(2023年度の乗車人員は5,100人/日)となっていた。

なお、豊肥本線を走る特急列車の体系見直しにともない、現行の特急「あそ」は運転取りやめに。D&S列車の特急「かわせみ やませみ」も定期運行を取りやめる。