年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。年金をもらいながらシルバー人材センターで働いた場合について、専門家が回答します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金をもらいながらシルバー人材センターで働いた場合についてです。

◆Q:年金をもらいながらシルバー人材センターで働いたら年金はカットされる?

「年金をもらいながらシルバー人材センターで働こうと思いますが、年金はカットされますか?」(60代)

◆A:シルバー人材センターでの報酬は「雑所得」。年金カットの対象にはなりません

年金がカットされる場合とは、在職老齢年金の支給停止の基準額を超えた場合になります。在職老齢年金は、厚生年金に加入して働いて得た収入が対象です。シルバー人材センターで働くときは、厚生年金に加入しませんので、在職老齢年金の対象にはなりません。そのため年金カットもされません。

シルバー人材センターの収入は、報酬として扱われ「雑所得」になります。シルバー人材センターからの報酬には、「家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例」(家内労働者等の必要経費の特例)により、最大で年間55万円を必要経費にすることができますので、報酬から55万円を必要経費として控除することができます。

また、公的年金等の収入が400万円以下で、シルバー人材センターの収入のみの場合、報酬合計が1年間(1月~12月まで)で75万円以下(雑所得20万円以下)の際には、確定申告をする必要がありません。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

文=All About 編集部