冬は寒さだけでなく乾燥の季節でもあります。今回は、ジョーシン浦和美園イオンモール店を訪ね、加湿器の売れ筋を取材しました。
季節家電を担当するスタッフの神田歩樹氏によると、売り場で加湿器が売れ出すのは暖房をつけるようになるタイミングと重なるそう。「室内の乾燥を招く暖房も多いですし、外で喉を痛めやすくなるのもあって、やはりこの時期に加湿器も一緒に揃えようという方が多くいらっしゃいます」
売れ筋となっているのは、ヒーターと気化式を組み合わせた「気化ハイブリッド式」ですが、ヒーターを使わない「気化式」や、蒸気で加湿する「スチーム式」も安定した需要があるそうです。下記の「加湿器選びの3カ条」を踏まえて、直近の人気モデルを追っていきましょう。
<加湿器選びの3カ条>
- 使う部屋の広さと予算を決めるのが基本。予算を比べるときは電気代も念頭に置いて考えたい。
- メンテナンス性の比較も重要。長く使ううえで、自分なりに無理なく清潔に使える製品を選ぼう。
- そのうえでデザインやスマホ連動機能、湿度表示や出力モードのバリエーションなどを比較したい。
※本文と写真で掲載している価格は、2024年11月21日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:大容量でメンテナンス性も高い「HD-LX1224」
一番人気に選ばれたのは、ダイニチ工業の気化ハイブリッド式モデル「HD-LX1224」でした。プレハブ洋室33畳まで/木造和室20畳までの大容量タイプで、取材時の価格は44,800円でした。
「立地的に比較的広いお住まいの方も多く、リビングの広さが15畳前後かそれ以上となるとこれくらいの容量が求められますね。なかでも、ダイニチ工業さんの製品は定番の人気があります」
なかでも「LXタイプ」と呼ばれる上位シリーズが選ばれる理由は、パワーに加えてメンテナンス性の高さもあるといいます。「加湿フィルターとタンクのトレイカバーが使い捨てで手軽に交換できる強みあります。全部洗ってきれいにすると2~3時間はかかりますが、さっと新しいものに交換して済ませられるところを気に入って選ぶ人が多いですね」
第2位:定番ブランドのマンション人気モデル「HD-RXT924」
2位もダイニチ工業の製品が選ばれました。プレハブ洋室24畳まで/木造和室14.5畳までの気化ハイブリッド式モデル「HD-RXT924」で、取材時の価格は34,800円でした。
「マンション住まいの方に人気がある容量帯ですね。機能をシンプルにして価格を抑えながらも、ターボ運転で素早く加湿する機能もありますし、交換式のトレイカバーも採用しています。取り外しも簡単ということで定評がありますね」
第3位:スチーム式で目立っているのは象印マホービン
3位は、象印マホービンの製品全般とのことです。同社は、スチーム式の加湿器を4モデルラインナップしていますが、機能性で選ばれるのはハイエンドの「EE-TA60」といいます。容量はプレハブ洋室17畳まで/木造和室10畳までで、取材時の価格は28,380円でした。
「スチーム式のメンテナンス性とお買い求めやすいお値段に惹かれる人も多くいらっしゃいます。とりわけ、象印マホービンはポットで培ったノウハウがありますし、お手入れもポットと同じ要領でやれるというところが評価されていますね」
第4位:イオンカートリッジで汚れが付きにくい「HV-T55」
4位は、シャープの気化ハイブリッド型モデル「HV-T55」です。プラズマクラスター7000を搭載し、容量はプレハブ洋室15畳まで/木造和室9畳までとなります。取材時の価格は26,800円でした。
「気化ハイブリッド式ということで電気代が抑えられます。給水タンクに付属するAg+イオンカートリッジが使えるので、ぬめりや菌の発生が抑えられるのが強みですね。やはり、プラズマクラスターも注目されます」
第5位:ナノイー搭載の気化式「FE-KXY05」
5位は、パナソニックの気化式モデル「FE-KXY05」が選ばれました。微粒子イオンの「ナノイー」を発生させる機能を備え、容量はプレハブ洋室15畳まで/木造和室8.5畳までです。取材時の価格は29,800円でした。
「気化式ということで省エネ性が高い製品ですね。加えて、やはりナノイー機能に惹かれて選ばれる方が多い印象です。ブランドの信頼性も高いですしね」
はみ出し情報・・・シャープの加湿空気清浄機が底値で人気
周辺カテゴリーで売れ行きが目立つ製品を尋ねたところ、神田氏はシャープの加湿空気清浄機「KI-SX75」と「KI-SX70」を挙げました。容量は、プレハブ洋室25畳まで/木造和室15畳までと、同21畳まで/12.5畳までとなります。ともに2023年9月発売の旧製品で、取材時には最終処分特価として54,800円と43,800円の値がつけられていました。
「2024年は加湿空気清浄機がとても売れましたが、基本的には加湿器とバッティングしない価格帯の家電です。しかし、処分特価になると重なるくらいまで下がることがあるので、そうしたことも含めて紹介させてもらいました。もともと人気がある製品ですし、やはり好調に売れています」
後継機種が投入されるタイミングは、旧製品の処分特価時期でもあります。そうした特価製品が年末ごろまで残っていることもあるそうです。