◆お金を貯めたい人は注目! 夏と冬の「ボーナスキャンペーン」
夏と冬のボーナス時期に金融機関では、定期預金金利の上乗せなど、ボーナスキャンペーンを実施しています。長く続いたゼロ金利政策が解除され、預金金利が引き上げられています。ただ、ボーナス時期に金利キャンペーンを実施するのは、ネット銀行など一部の銀行に限られています。
金利上乗せに加えて、新規口座開設や新規預け入れで、キャッシュバック、ポイント還元などもありますので、この機に金利のいい銀行を選んで、少しでもお金を有利に貯めるようにしましょう。常時、一般の銀行より高めの金利を提示しているところもあります。本記事では、ボーナスの預け方のコツと主要なキャンペーンを紹介していきます。
◆ボーナスなどのまとまったお金は、少しでも金利のいいところに預けよう
現在(2024年12月6日時点)、メガバンクの定期預金(1年)は0.125%。これでもゼロ金利政策の段階からは大幅に引き上げられましたが、ネット銀行などでは、条件によっては普通預金金利が0.15%のところもあり、メガバンクに預けたままでは、一向にお金は増えません。長期で使わないお金であれば、メガバンクの預入期間10年で0.30%の定期預金に預けるという選択もありますが、途中で解約した場合は、適用金利が下がってしまいます。今は、金利が動いている状況ですので、長期での預け入れは避けるのが賢明です。
ボーナスなどのまとまったお金は、貯蓄の目的を明確にし、きちんと別の口座に預け替えておくことが重要です。「ボーナスキャンペーン」を利用して、少しでも金利がいい定期預金に預けることができればベスト。これから口座開設の手続きをしても間に合う金融機関もあるので、自分にとって使い勝手のよい銀行を選んで、預け替えにチャレンジしてみてください。
◆金利大幅アップ。冬のボーナスキャンペーンを賢く使う!
現在(2024年12月10日時点。金利はいずれも税引き前)ボーナス時期のキャンペーン金利を実施している主な金融機関は、以下のとおりです。
◇SBI新生銀行
【インターネット限定】円定期預金冬の金利アップキャンペーン
●特別金利/年0.80%
●預入金額/30万円以上1円単位
●預入期間/1年
●対象期間/2024年12月10日(火)~2025年3月10日(月)まで。
※同キャンペーンで5年もの金利は年1.20%
※エントリー&対象の円定期預金の設定をすると、抽選で200名に1万円の現金が当たるキャンペーンを実施。このキャンペーン期間は2024年12月10日(火)~2024年12月27日(金)
◇auじぶん銀行
「冬の1年もの特別金利+円預金増やして優遇キャンペーン」
●特別金利/年0.65%
●預入金額/1万円以上1円単位
●預入期間/1年
●対象期間/2024年12月4日(水)~2025年2月28日(金)
※期間中、新規で預け入れした本キャンペーン特別金利(特典①)の合計金額のうち、円預金の増加額に対して、特典①の特別金利に加えて年0.15%(税引後年0.11%)で1年間(365日間)運用した際の利息相当額の現金をプレゼント。
◇ソニー銀行
「円定期特別金利」
●特別金利/年0.60%
●預入金額/1万円以上1円単位
●預入期間/1年
●対象期間/2024年12月2日(月)~2025年3月31日(月)
※同キャンペーンで預入期間6カ月の金利は年0.45%
※積み立て定期預金(1年)も、金利は年0.60%。積み立て定期預金の積立金額は1000円以上1000円単位。期間中の積み立て最終日は2025年3月27日(木)。積み立て定期預金の申し込みは2日前の2025年3月25日(火)まで。
◇ローソン銀行
「冬の定期預金キャンペーン2024」
●特別金利/年0.60%
●預入金額/1万円以上1円単位
●預入期間/1年
●対象期間/2024年12月2日(月)~2025年1月31日(金)
※同キャンペーンで預入期間6カ月ものの金利は0.70%
◇楽天銀行
「円定期預金 冬のボーナスキャンペーン」
●特別金利/年0.35%
●預入金額/1000円以上1円単位
●預入期間/1年
●対象期間/2024年11月15日(金)~2025年1月31日(金)
※同キャンペーンで預入期間2年の金利は年0.40%
※2024年12月15日(日)までに合計30万円以上預け入れした人を対象に、抽選で1000名に最大5000円をプレゼント。エントリー期間:2024年11月25日(月)10:00~2024年12月15日(日)23:59、預入期間:2024年11月25日(月)00:00~2024年12月15日(日)23:59。
◆新規口座開設者限定!指定期間中の預け入れで金利優遇
ボーナス時期に限らず、新規口座開設者限定で、新規預け入れをした場合に、金利優遇がある銀行は以下のとおりです。
◇オリックス銀行
「eダイレクト定期預金 優遇金利プログラム」
2024年12月2日以降に新たに「eダイレクト預金」の口座開設者限定で、口座開設日から翌々月末日まで、優遇金利定期預金を申し込める。
●優遇金利/6カ月1.0%、1年0.70%
●預入金額/100万円以上1000万円以下
◇東京スター銀行
「インターネット限定 新規口座開設優遇プラン スターワン円定期預金」
口座開設日から翌々月の末日までの預け入れが条件。
●優遇金利/1年0.70%
●預入金額/50万円以上1円単位
◇SBI新生銀行
「スタートアップ円定期預金」※2024年12月10日~2025年3月10日まで。
新規口座開設者限定、口座開設月を含む3カ月目の末日までの預け入れが対象。
●優遇金利/1年0.85%(3カ月もの年1.2%)
●預入金額/30万円以上1円単位(インターネットバンキング)の場合
1口300万円以上、1円単位(店頭・電話・チャット)の場合
◆常時、金利が高いネット系の銀行も要チェック!
キャンペーンを実施しないまでも、常時、金利が高い銀行があります(2024年12月6日時点。金利はいずれも税引き前)。
●あおぞら銀行BANK支店<BANK The 定期>【BANK口座限定】
6カ月0.40%、1年0.45%、2年0.50%、3年0.55%、5年0.65%(50万円から預け入れ可能)
●大和ネクスト銀行<円定期預金>
1カ月・3カ月・6カ月は年0.15%、1年0.20%、2年0.25%、3年0.40%、5年0.50%(10万円から預け入れ可能)
●イオン銀行
1カ月・3カ月は年0.15%、6カ月0.25%、1年0.30%、2年0.30%、3年0.30%、4年0.40%
この他、地方銀行や信用金庫のネット支店で常時金利が高いところがあります。ボーナス時期に合わせたキャンペーン金利で1年0.70%(きらやか銀行SBIさくらんぼ支店)のところもあります。ネット支店であれば地元以外でも利用できますので、検討してみるといいでしょう。
さらに、普通預金金利が常に高い銀行もあり、資金の一時置きなどに利用することもできます。
・あおぞら銀行BANK支店0.20%
・SBI新生銀行0.30%
・楽天銀行0.18%(預入300万円まで、それ以上の部分は金利0.12%)
・イオン銀行0.18%
あおぞら銀行BANK支店は条件なしで常時普通預金金利が高い設定。SBI新生銀行、楽天銀行、イオン銀行は、取引条件を満たすと、普通預金金利がアップします。ひとまず普通預金に預け、今後の定期預金金利の動きを様子見して改めて定期預金にするというのも賢い選択です。
◆注意! 投資信託や外貨預金とセットでないと高金利にならない商品も!
ボーナス時期などの預け入れで注意が必要なのは、これまで紹介したキャンペーンのように、「円定期」のみで特別金利を提示しているのではなく、投資信託や外貨預金などとセットで高金利になるというパッケージ商品です。一見すると、金利の高さに魅力を感じてしまいますが、投資商品とセットになっているため、運用次第では、定期預金の金利どころか損失が出てしまう可能性もゼロではありません。こうしたパッケージ商品は、よく理解して利用するようにしましょう。
いずれにしても、キャンペーン金利などを上手に活用するには、前回ボーナスキャンペーンは実施されたかなど情報を事前にキャッチし、あらかじめ口座開設の手続きをしておくことも大事です。ネット系の銀行は普通預金金利も高めなので、これを機に、一般の都市銀行の他にもう1つ貯蓄用の口座を持つ、というような意識づけにつながればいいでしょう。
文:伊藤 加奈子(メディアプロデューサー、ファイナンシャルプランナー)
マネー誌『あるじゃん』や住宅関連誌、ライフスタイル誌などの数多くの媒体を立ち上げたメディアプロデューサー。マネープランクリニックの執筆を担当し、実際の家計の取材に基づいた「お金の話」や「貯蓄の話」の発信を行う。
文=伊藤 加奈子(メディアプロデューサー、ファイナンシャルプランナー)